ひつじ田 (秋の季語:地理)

     ひつじ田 ひつぢ田

ひつじ田
33秋・地理・ひつじ田(ウェブ).jpg
        デジカメ写真


季語の意味・季語の解説
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 稲刈りのあと、その刈り株から再び萌えだした青い芽を「ひつじ」と言います。
 そして、ひつじが一面に生えそろった田んぼを「ひつじ田」と言います。


季語随想
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 稲の一生には二つの時期があります。

 一つは、田んぼに植えられてから刈り取られるまでの時期。
 おいしい米をいっぱい実らせようと育っていく時期。
 それは、人々の期待の中で、精一杯人々のために生きる時期です。

 もう一つは、収穫後の、誰も見向きもしなくなった田んぼに、青々としたひつじとなって、再び萌えだした時期。
 やがて冬の風に枯らされるまでの短い間、晩秋の色づいた景色や、初冬の小春日和を満喫する時期。
 それは、他人に何かを期待されることがなくなっても、最後まで精一杯自分を成長させようと生きる時期です。

 どちらの時期も、稲にとっては、かけがえのない時期なのです。

  無医村の棚田ひつぢを立たせけり (凡茶)


季語の用い方・俳句の作り方のポイント
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 上に掲げた俳句、

  無医村の棚田ひつぢを立たせけり

のように、寒い季節へと向かっていく中で、再び成長しようとする「ひつじの力強さ、生命力」をストレートに詠む方法が考えられます。
 この場合、「や」や「けり」などの力強い切字を用いると、一層句が凛々しくなりそうです。

 また、ひつじ田という季語には、晩秋の淋しさと俗っぽさも宿っているので、それを俳句全体に効果的に漂わせるのも面白いでしょう。

  落日やひつぢ田帰る応援団 (凡茶)


 なお、「ひつじ・ひつぢ」という季語は、インターネット上で漢字を表示させることが難しいため、平仮名を用いていますが、実際に俳句を作る時は、漢字を用いる人が多いです。俳句歳時記などで漢字を調べてみてください。



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posted by 凡茶 at 18:21 | Comment(0) | 秋の季語(地理) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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