冬の虹(冬の季語:天文)

     冬の虹 冬虹

冬の虹
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        デジカメ写真


季語の意味・季語の解説
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 虹は夏の季語ですが、稀に冬の空にも現れます。
 冴え冴えとした空に架かるため、冬の虹という季語からは、夏の虹以上に鮮やかな印象を受けます。


季語随想
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 冬の虹は、寒い地上でふさぎがちになっている人々の心を、にわかにときめかせてくれます。

 しかし、冬の虹と出会えるのは、ほとんどの人が数年に一度ほど。
 それも、褪せゆくときは、本当に潔く褪せてしまいます。

 だから、ひところの私は、冬の虹を見るのが嫌でした。
 出会えることの喜びよりも、すぐに私の前から褪せてなくなってしまうことの淋しさの方が大きいですから…
 一度消えてしまったら、もうしばらくの間姿を見せてくれない淋しさの方が大きいですから…

 それなら、はじめから出会わない方がいい…

 そんなふうに考えていた、あの頃と比べると、今の私は、今ここにある幸せに集中し、今という時間を積み重ねていくことの大切さに気付いた分だけ、先に進めているような気がします。

  冬虹のまだある空へ伝書鳩 (凡茶)


季語の用い方・俳句の作り方のポイント
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 凍て空に鮮やかに架かる冬の虹は、希望やときめきを人々の心に呼び起こし、また、めったに見られないことから、神々しさをもまとっています。
 しかし、それと背中合わせに「あはれ」「儚さ」を人々に感じさせるのは、その短い寿命によるものでしょう。

 このように、「冬の虹」という季語は、たくさんの感情を人々に抱かせますから、いろいろな言葉と取り合わせ、いろいろな味を引き出してみると、俳句作りがますます楽しくなりそうです。

  十字架を離さぬ鴉冬の虹 (凡茶)
      鴉=からす。

  冬虹や掃き残されしライスシャワー (凡茶)



≪おすすめ・俳句の本≫

俳句の宇宙 長谷川櫂著
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■ 俳句は深くて、面白いなあ… 心からそう思えた本でした!


 最も私の心をとらえたのは第四章「間について」
 この章を読み、俳句の「切れ」を「間」と捉え、その「間」をじっくり味わおうとするようになってから、既に目にしていた名句が、それまでとは違って見えてくるようになりました。

 また、第七章「宇宙について」も、面白くてあっという間に読んでしまいました。
 この章で、「造化」というものに関する著者の考え方を読んでから、芭蕉の時代の句に接する際は、その句が生み出される場としての「造化」というものを読み取ってみようと意識するようになりました。
 もちろん、私ごときが読み取ろうと思って読み取れるような浅いものではないのですが…

 とにかくこの本は、
 「自分が足を踏み入れた俳句の世界は、どこまでも深いんだなあ。そして、深みに潜れば潜るほど、新しい面白みに接することができるんだなあ… 」
 そんな気持ちにさせてくれる一冊でした。



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posted by 凡茶 at 20:53 | Comment(0) | 冬の季語(天文) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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