寄居虫(やどかり) (春の季語:動物)

     ごうな

やどかり(寄居虫)
16春の季語・動物・寄居虫(やどかり)【イラスト】.jpg
        パソコン絵画


季語の意味・季語の解説
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 寄居虫(やどかり)は、巻貝の殻に棲みつく、エビ目ヤドカリ下目の小動物。
 古くは「ごうな」と呼んだ。

 チビのくせに貝殻からでっかい一対のハサミを出している姿は、なんともひょうきんである。

 春の季語になっているが、実際、春に潮干狩りや磯遊びを楽しんでいるときによく見かける。


季語随想
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 得意でないことまで、全部自分でやろうとして、うまくいかずにイライラする…

 振り回される周りもイライラする…

 そんな、俺達人間は、やどかりを見習うべきだ。

 やどかりは、自分の住み家を自分じゃ造らない。
 全部、巻貝に作ってもらう。
 だって、大工仕事は苦手だもん!

 苦手なことは他人に委ねる。
 そのかわり、得意なことは、他人の分だって、心をこめてやってやる。

 心に無理をためず、そして自尊心を傷つけない生き方を。

 無理せず生きているやどかりは、春の浜辺の人気者だ。


季語の用い方・俳句の作り方のポイント
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 巻貝に棲みつく寄居虫(やどかり)は、その特異な恰好から、季語として俳句に詠まれると、ユーモラスな句ができやすい。

 ただ、自分で家を造らず貝殻を利用する、その生き様(?)に対して、ささやかな羨望、そして、ささやかな侮蔑をにじませて俳句を詠んでやると、味わい深いものになるかもしれない。

 また、春の広々とした海辺で、その存在はとてもちっぽけであるから、やどかりは「あはれ」の対象にもなり得る。


  やどかりや怪雲壊れただの雲 (凡茶)



≪おすすめ・俳句の本≫

俳句の入口 〜作句の基本と楽しみ方 藤田湘子著
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■ 俳句はリズムである… 大切なことを教えてくれた一冊です。


 左の本に出会うまでは、伝えたいこと、表現したいことを無理やり五七五の定型に詰め込むような俳句作りをしていました。

 つまり以前の私にとって、定型は約束事だから仕方なしに守る制約にすぎなかったのです。

 しかし、この本を読んで、俳句は韻文であり、大切なのはリズムであることを知ると、定型、切れ字等の大切さが少しずつわかるようになっていきました。

 「意味」から「音」へ!
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posted by 凡茶 at 00:57 | Comment(0) | 春の季語(動物) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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