病葉 (夏の季語:植物)

     わくらば

病葉(わくらば)
27夏の季語・植物・病葉(わくらば)(ウェブ).jpg
        デジカメ写真


季語の意味・季語の解説
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 夏、周囲の葉が青々としている中、蝕まれて赤や黄に色づいた葉を見かけることがある。

 そんな葉を病葉(わくらば)と呼ぶ。


季語随想
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 葉っぱはやがて色づきます。
 晩秋には、鮮やかな赤や黄に色づきます。

 それまで待てばいいのに、夏のうちに色づいてしまった葉っぱは、病葉(わくらば)と呼ばれてしまいます。

 他の葉っぱに先駆けて色づいた先駆者なのに、「病んだ葉っぱ」と呼ばれてしまいます。

 病葉と呼ばれることを恐れずに、勇気を持って、周囲の葉と違う色に自分を変えていけるか。

 それとも、病葉と呼ばれたくないがために、いつまでも周囲の色に自分を合わせつづけるか。

 創造できる者になれるか、なれないかは、そこで決まるのかもしれません。

 先駆者になろうとしている後進に、病葉たれと声をかけられるか、それとも、病葉にはなるなと声をかけるか。

 創造する者を育てる師になれるか、なれないかは、そこで決まるのかもしれません。


季語の用い方・俳句の作り方のポイント
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 病葉(わくらば)という季語は、用いるのがとても難しい季語です。

 病葉は、すぐに散りゆく葉ですから、「あはれ」の対象になり得ます。
 しかし、緑の中に交じるその赤や黄色には、やはり派手さがあります。

 そんな病葉という季語の個性を生かせる俳句ができるまで、何度でも、何度でも、句を作っては捨て、捨てては作ってみましょう。

 次の私の俳句は、病葉という季語の個性を生かせているでしょうか?

  病葉の凛と反りたる廓跡 (凡茶)
     
         凛=りん 廓跡=くるわ・あと



≪おすすめ・俳句の本≫

俳句の宇宙 長谷川櫂著
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■ 俳句は深くて、面白いなあ… 心からそう思えた本でした!


 最も私の心をとらえたのは第四章「間について」
 この章を読み、俳句の「切れ」を「間」と捉え、その「間」をじっくり味わおうとするようになってから、既に目にしていた名句が、それまでとは違って見えてくるようになりました。

 また、第七章「宇宙について」も、面白くてあっという間に読んでしまいました。
 この章で、「造化」というものに関する著者の考え方を読んでから、芭蕉の時代の句に接する際は、その句が生み出される場としての「造化」というものを読み取ってみようと意識するようになりました。
 もちろん、私ごときが読み取ろうと思って読み取れるような浅いものではないのですが…

 とにかくこの本は、
 「自分が足を踏み入れた俳句の世界は、どこまでも深いんだなあ。そして、深みに潜れば潜るほど、新しい面白みに接することができるんだなあ… 」
 そんな気持ちにさせてくれる一冊でした。



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posted by 凡茶 at 01:05 | Comment(1) | 夏の季語(植物) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
病葉やあしたの我を占う兆しかな 白雅
Posted by 斎藤博志 at 2013年05月14日 16:51