雪の果,涅槃雪 (春の季語:天文)

     雪の果(ゆきのはて) 涅槃雪(ねはんゆき)
     名残の雪 別れ雪 忘れ雪

12春の季語・天文・雪の果,涅槃雪【俳句】.jpg
        パソコン書道


季語の意味・季語の解説
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 春になっても冬の名残で雪の降ることがあるが、その雪の中でも最後に降る雪のこと。

 陰暦二月二十五日の涅槃会の頃に降るため、涅槃雪(ねはんゆき)とも言う。

 名残の雪、別れ雪、忘れ雪などの別称も美しい。

 道路や手のひらに舞い降りては、すぐに消えてしまうような雪の果もあれば、少しの間積っているような雪の果もある。


季語随想
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 故郷以外の場所で生きていかざるを得ない時期、人にはそんな時期が訪れるものです。

 私にもそんな時期がありました。

 病臥した大切な父を故郷に残し、目指していた夢にも一旦封印をして、
遠い町で働いていくことが決まったある春の日のことです。

 私はとある鄙びた温泉街に自分を慰めにきていました。

 温泉街を歩いていると、はらりはらりと名残の雪が舞い降りてきました。

 雪は、お湯を流す側溝の板から漏れてくる、硫黄臭い湯気に触れると、地に落ちることなく、次々と空中で消えていきました。

 次々と湯気に消されていく、名残の雪を目のあたりにしつつ、私は、自分が最も失いたくないものが何であったのかを、はっきりと心の中で確認していました。

  どぶ板を漏るる湯煙雪の果 (凡茶)


季語の用い方・俳句の作り方のポイント
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 冬の間は、人々にいろいろと不便も強いる雪ですが、それももうこれで終わりかと思うと淋しいもの。

 ですから、雪の果(ゆきのはて)という季語を俳句に詠むときは、「愛おしさ」をあまり隠さずに、句に込めるようするといいかもしれません。

  背の子の手を延べてゐる雪の果 (凡茶)
       背=せな


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正風俳句かるた
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■ 「かるた」が開く俳句の扉!

 実は、「俳句かるた」が私(凡茶)と俳句の出会いでした。

 幼い頃、一茶の俳句を集めたかるたを親に買ってもらい、絵札のユーモラスなイラストが気に入って、繰り返し遊んだことを覚えています。
 そして、自然と一茶の俳句が好きになっていきました。

 その記憶があったから、大学で俳句会勧誘の貼りビラを見たとき、迷わず、入会を決めることが出来たのだと思います。

 ここで紹介している「正風俳句かるた」は、私が子どもの頃買ってもらったかるたではありませんが、季節感あふれる美しい絵札はきっと子どもたちの関心を引き付けることでしょう。

 また、実際に読みきかす俳句を含め、同じ文字で始まる四季の俳句を並べた字札は、きっと子どもたちの前に、俳句の扉を自然と開いてくれることでしょう。

 あるいは、童心に帰って、俳句仲間とかるたを楽しんでみるのもいいかもしれません。いい運動にもなりますしね。



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posted by 凡茶 at 04:19 | Comment(0) | 春の季語(天文) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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