冬田 (冬の季語:地理)

    冬の田 冬田面(ふゆたのも) 
    冬田道 休め田 雪の田

43冬の季語・地理・冬田【俳句】.jpg
        パソコン書道


季語の意味・季語の解説
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 稲刈りが済み、刈り株も枯れた冬の田んぼ。
 雪にすっぽり覆われているものも、畦にだけ雪がたまっているものも、
 冬靄が揺らいでいるものも、どれも趣が深い。


季語随想
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 変わり者の私は、せっかくの休日に、著名な観光地へは行かず、東北の冬田道を歩くための旅に出た。

 さえぎる物の無い冬田道を歩くと、風が冷たくて耳がちぎれそうになるが、それでも歩きに出かけた。

 雪の遠野郷では、冬田の中を何時間もかけて歩き、カッパ淵だの、コンセイサマだのを見て回った。

 山形では、雪を被った、なだらかで美しい月山(がっさん)を見ながら、冬田の中の一本道を延々と歩いた。

 宮城では、あえて全く聞いたことのない町を選び、何時間か黙々と吹雪の田圃道を歩き続けた。

 そんな冬田道歩きを通して、私は二つのことを悟った。

 一つ、人間は寒くなるとトイレに行きたくなる動物である。
 二つ、都会と田舎の最大の違いは、すぐに行けるトイレがあるか、無いかである。


季語の用い方・俳句の作り方のポイント
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 冬田という季語は、さえぎるものの無い開けた空間を吹く冷たい風や、雪や霜に冷やされた冷たい土を強く連想させる季語です。

 そんな季語の持ち味を十分生かして俳句を詠んでみましょう。

 次の俳句は、与謝蕪村の弟子、吉分大魯の俳句です。
 寒さの中で、たくましくも、けなげに生きる雁がね(ガン)の姿が詠まれています。

  我がものと雁がね落つる冬田かな (大魯)

 次は私の俳句です。

 月山という大景を、小さな人物と対比させることでより大きく見せ、冬田道という寒さを連想させる季語で、全体の印象を引き締めたつもりです。

 月山(がっさん)は山形県の名山で、乳房のような美しい形をしています。

  月山へ遠のくバイク冬田道 (凡茶)



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posted by 凡茶 at 02:58 | Comment(0) | 冬の季語(地理) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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