おでん (冬の季語:生活)

     関東煮(かんとうだき)

おでん
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        デジカメ写真


季語の意味・季語の解説
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 様々な種(具材)を、たっぷりのだし汁でことこと炊いたもの。

 種には、はんぺん、さつま揚げ、ちくわ、つみれなどの練り物のほか、大根、がんもどき、麩、こんにゃく、昆布、ゆで卵、牛すじ、たこの足などが使われる。

 鍋物と煮物のあいの子と言える独特な料理で、関西では関東煮(かんとうだき)とも呼ばれる。


季語随想
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 おでんはあまりに酒との相性が良い。

 酒との相性が良すぎて、「おでん屋」イコール(主に会社帰りのおじさまが集う)「飲み屋」になってしまってる。

 子供づれの家族や、女友達の一団、腹の減った一人暮らしの学生などが気楽に寄れる「食べ物屋」に、「おでん屋」はなっていない。

 子供づれの家族や、女友達の一団、腹の減った一人暮らしの学生は、ハンバーグよりおでんの方が好きでも、お腹が空いたらファミレスへ行く。
 その方が、肩が張らないからだ。

 私が思うに、彼らがもしおでん屋に来れば、飲兵衛(のんべえ)よりたくさんのおでんを食べて帰るはずである。
 飲兵衛は、おでんなんかほんのちょっと食べて、あとは飲んでるばかり。おでんをこしらえる側も張り合いが悪い。

 すべてのおでん屋がそうなる必要もないが、ファミレスのように寄って、お腹いっぱい食べて帰りたくなるおでん屋が少しぐらいあってもいい。

 同じことは焼鳥屋にも言えそうだ。


季語の用い方・俳句の作り方のポイント
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 おでんは扱いの難しい季語です。

 「庶民が、庶民的な店または家で、酒とともに楽しんで身と心を温める…」
 そんなイメージが、「おでん」にはしっかり染みついています。

 実際、そういう食べ物ですしね。

 ですから、作っても作っても、既に歳時記に載っている先人の俳句に似てしまって、なかなか個性的な句ができません。

 だからと言って、「おでん」という季語が持つ既存のイメージを全く生かさずに句を詠んでも、やはり味のある俳句になりません。

 さしあったては、「おでん」という季語の持つ既存のイメージをしっかりと利用しつつも、そこに自分なりの「ひと工夫」を加えて、歳時記の句とは「ひと味違うもの」を生み出す努力をしてみましょう。

  街騒のへりへ逃れておでん酒 (凡茶)
      街騒=まちざい。

  粕の利くおでんが待てり駅裏へ (凡茶)



≪おすすめ・俳句の本≫

俳句の宇宙 長谷川櫂著
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■ 俳句は深くて、面白いなあ… 心からそう思えた本でした!


 最も私の心をとらえたのは第四章「間について」
 この章を読み、俳句の「切れ」を「間」と捉え、その「間」をじっくり味わおうとするようになってから、既に目にしていた名句が、それまでとは違って見えてくるようになりました。

 また、第七章「宇宙について」も、面白くてあっという間に読んでしまいました。
 この章で、「造化」というものに関する著者の考え方を読んでから、芭蕉の時代の句に接する際は、その句が生み出される場としての「造化」というものを読み取ってみようと意識するようになりました。
 もちろん、私ごときが読み取ろうと思って読み取れるような浅いものではないのですが…

 とにかくこの本は、
 「自分が足を踏み入れた俳句の世界は、どこまでも深いんだなあ。そして、深みに潜れば潜るほど、新しい面白みに接することができるんだなあ… 」
 そんな気持ちにさせてくれる一冊でした。



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posted by 凡茶 at 04:20 | Comment(0) | 冬の季語(生活) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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