乾鮭(からざけ) (冬の季語:生活)

     干鮭(ほしざけ) とば トバ

乾鮭(からざけ)
44冬の季語・生活・乾鮭【イラスト】.jpg
        絵画をスキャナーにて取り込み


季語の意味・季語の解説
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 鮭のはらわたと鱗を取った上で陰干しにし、水分を抜いた保存食。
 干鮭(ほしざけ)、トバとも言う。トバはアイヌ語。
 
 かつての日本人にとっては、塩蔵品の塩鮭と並ぶ貴重な冬の食料であった。 


季語随想
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 稲作が伝来するまでは、東北日本の方が西南日本より人口が多く豊かであったという話を聞いたことがあります。

 東北日本はクルミ、栗、どんぐりなどの木の実が豊富だった上に、川に鮭が遡上してきたので、食糧が豊富であったということらしいです。

 鮭は、木の実とともに、シベリアからマンモスを追って日本にやって来た私たちの祖先を、飢えから守ってくれたのです。

 鮭を干して乾かした乾鮭(からざけ)は、日本の礎となる食材と言っても過言ではありません。

 レストランでフレンチ、イタリアン、エスニックを味わうのも人生の大きな楽しみですが、たまには細かく切った乾鮭(からざけ)を歯で食いちぎりながら、日本人の祖先のことを思ってみるのもいいでしょう。
 


季語の用い方・俳句の作り方のポイント
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 次の松尾芭蕉の俳句を見てください。

  雪の朝独り干鮭を噛み得たり (芭蕉)

 保存食の乾鮭(干鮭)は、めでたい時に食べる「ハレ」の食べ物ではなく、厳しい冬を生き抜くための「ケ」(日常)の食べ物でした。
 ですから芭蕉の俳句には、淋しくても、虚しくても、とにかく生きていくほかないから生きているというような、諦観みたいなものが滲み出ているように思います。

 私は、乾鮭の俳句を詠むときは、人々の「生きる」場をありのままに写生することで、乾鮭とともに、寒い冬を生きるひたむきさのようなものを表現したいと思っています。

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posted by 凡茶 at 01:58 | Comment(0) | 冬の季語(生活) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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