梟(ふくろう) (冬の季語:動物)

     母食鳥(ははくいどり)     

梟(ふくろう)
46冬の季語・動物・梟(ふくろう)【イラスト】.jpg
        パソコン絵画


季語の意味・季語の解説
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 留鳥の梟(ふくろう)は四季を通じて見られるが、俳句では冬の季語として定着している。

 冬の夜は低い音でも響き渡りやすく、梟の重みのある鳴き声が特に心にしみるからかもしれない。

 「ぼろ来て奉公」とか「五郎助ほーほー」と言っているように聞こえる。  


季語随想
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 田舎宿で梟の声を聞いた。
 どちらかと言うと不気味な声だ。
 灯りを消した部屋で、一人で聞いいたため、なんだか怖くなった。

 しかしその時、恐怖心の奥の方には、声の主を見てみたいという気持ちも、ちょっぴり生じていた。
 怖いけれど、あのユーモラスな丸い顔を、自分の目で見てみたいなんて思いが、少しだけ芽生えていた。

 思えば、子供の頃には怖いものがいっぱいあった。
 おばけ、幽霊、宇宙人…
 怖いけれど、どれも一度は見てみたいものばかりだった。

 大人になり、私には怖いけれど見てみたいものなんてほとんどなくなってしまった。

 失敗、現実の厳しさ、他人の心の奥底…

 大人になった私にとっての怖いものは、そのまま見ないままでいたいものばかりになってしまった。

 宿の近くで鳴いた夜の梟は、そんな私にとって、久々に怖いけれど見てみたいものとなった。

  梟やおばあちやん家の開かずの間 (凡茶)
      おばあちやん家=おばあちゃんち。 


季語の用い方・俳句の作り方のポイント
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 鎮まり帰った冬の夜の、低くて重い梟(ふくろう)の声には「あはれ」を感じます。
 江戸時代の俳人、小林一茶の句にも、あはれが詠まれています。

  梟がとしをしむやら竿の先 (一茶)

 また、梟の声には、ぞくっとする「怖さ」があります。
 次の私の俳句は、怖さを感じながら詠んだ句です。

  梟やおばあちやん家の開かずの間 (凡茶)
      おばあちやん家=おばあちゃんち。

 ただ、上の俳句からは「あはれ」や「怖さ」のほかに「ユーモア」も感じます。
 梟のあの丸いユーモラスな容姿が、自然とユーモアのある俳句を俳人に詠ませるのかもしれません。
 私の句をもう一つ。

  梟や家族で畳む外れ籤 (凡茶)
      外れ籤=はずれくじ。



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posted by 凡茶 at 02:53 | Comment(0) | 冬の季語(動物) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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