豆まき (冬の季語:行事)

     豆撒き 豆打(まめうち) 鬼打豆
     鬼は外 福は内 年の豆

45冬の季語・行事・豆撒(まめまき)【イラスト】.jpg
        パソコン絵画


季語の意味・季語の解説
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 節分の夜、鬼を追い払う(厄を払う)ために、「福は内、鬼は外」と連呼しながら、豆を撒く行事。

 神社や寺では、年男(その年と同じ干支に生まれた人)が豆を撒く。
 一般家庭では、大人(多くの場合パパ)が鬼に扮し、子供が豆を投げる。

 もともとは大晦日の行事であったが、新暦になり、大晦日・元日と節分・立春が大きくずれてしまったため、年とりの行事ではなくなった。
 年の数よりも一つ多く豆を食べる風習は、その頃の名残である。


季語随想
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 近頃は節分の夜になっても、近所から「鬼は外、福は内」の掛け声が聞こえてこない。
 私の子供のころは、どこの家からも、「鬼は外、福は内」と豆を撒く声が聞こえてきたものだが…。

 特に私の祖母は、勝手口に立つと、窓が震えるほど大きな声で、豆を撒いたものだ。
 今時、近所に聞こえる大きな声で豆を撒くなんて、恥ずかしくてできないことになってしまったのだろう。
 近頃は、世間の人々が恥ずかしいと思うことが、一昔前と変わってきたようである。

 車の窓から煙草の吸殻を平気で道に投げ捨てる。
 子供の見ている前で、人を傷つけたり威嚇するような言葉をためらいもなく吐く。
 レストランで子供が騒いでも叱らないのに、甘いものを注文しようとすると「太ってブスになると困るでしょ」と怒鳴る。

 伝統的な文化を継承することは恥ずかしいのに、他人を思いやる心を欠いた行為は、恥ずかしくもなくできる大人が年々増えてきている。

 こうなってくると、豆を打って鬼を追い払うより、鬼に頼んで未熟な大人を折檻してもらった方が良いようにも思えてくる。
 ここで、芭蕉に学んだ俳人、志太野坡の句を掲げておきたい。

  豆とりて我も心の鬼打たん (野坡)


季語の用い方・俳句の作り方のポイント
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 「福は内、鬼は外」と唱えながらする豆まきは、威勢のいい、元気のいい、「動」の行事です。

 この「動」と、そのすぐそばにある「静」なるものとを対比させると、味のある俳句ができることが多いようです。
 江戸時代の大島蓼太と、私(凡茶)の俳句を例示してみます。

  鬼は外月は内へともる夜かな (蓼太)
      もる=漏る。

  豆撒きの修羅場へ猫の戻りけり (凡茶)

  豆撒きの一粒沈む金魚鉢 (凡茶)

 参考にしてください。

 また、「豆まき」の句だけではなく、数え年の数(満年齢に一つ加えた数)だけ豆を食べる「年の豆」の俳句も、積極的に詠んでみましょう。
 次の句は小林一茶の人柄がよく表れた、年の豆の俳句です。

  をさな子やただ三つでも年の豆 (一茶)



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 例えば、次の二句は、上五の名詞で一旦切り、座五の「けり」でも句末を切る形をしています。

  ●月天心貧しき町を通りけり  蕪村
  ●赤蜻蛉筑波に雲もなかりけり  正岡子規

 次の二句は、形容詞の終止形で中七の後ろを切り、座五に名詞を据える形をしています。

  ●五月雨をあつめて早し最上川  芭蕉
  ●鐘ひとつ売れぬ日はなし江戸の春  其角

 このテキストは、このような俳句の美しい形を、読者の皆様に習得していただくことを目的としています。

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posted by 凡茶 at 03:30 | Comment(0) | 冬の季語(行事) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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