冬の月 (冬の季語:天文)

     冬三日月 寒月(かんげつ) 寒三日月
     月冴ゆ(つきさゆ) 月氷る

42冬の季語・天文ー冬の月【イラスト】.jpg
        パソコン絵画


季語の意味・季語の解説
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 冬の月の光には、研いだ刃物のような鋭さがある。
 その、ぞくっとする美しさの前では、身じろぎすらできなくなるような気がする。

 寒月という表現もよく使われるが、これは寒の内の月に限らず、寒空にかかる月一般を指す。
 月冴ゆ、月氷るともなると、寒々しさが一層増す。

 秋の月との違いをあえて一言で表現するとするならば、秋の月が「さやけし」であるのに対し、冬の月には「すさまじ」という形容詞が最もよくあてはまる。


季語随想
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 真冬の露天風呂。
 寒さのためか、他には誰もいない。

 私は湯に浸かり、氷のような月を一人占めしている。

 静かで贅沢な時間である。

 冬の月を見ていると、自然と心が過去に及ぶ。
 心が冷静に過去を咀嚼し始める。

 悔いの全ては、不安に抗う勇気を持てなかったことによって生み出される。

 悔いの全ては、不安に抗う気楽さを持てなかったことによって生み出される。

 冬の月を見ていると、気持ちが引き締まってくる。
 勇気に火が付き、気楽さが雑念を噛み砕き始める。


季語の用い方・俳句の作り方のポイント
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 冬の月を詠んだ俳句をいくつか見ていきましょう。

 まずは与謝蕪村の句。
 冬の月の、背筋の寒くなるような美しさが描かれています。

  静かなる樫の木原や冬の月 (蕪村)

 次は蕪村とも交流のあった三浦樗良(ちょら)の句。
 寒月の光りの持つ鋭さが詠まれています。

  寒の月川風岩をけづるかな (樗良)

 次は小林一茶の句。
 句全体の雰囲気を一言でいえば「すさまじ」です。

  寒月や喰ひつきさうな鬼瓦 (一茶)

 最後は私の俳句。
 いくつか作った冬の月の句の中で、最も気に入っている俳句を紹介します。

  谷底に猿の晩年月氷る (凡茶) 



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 さて、俳句には、読者の心に響く美しい形というものがいくつか存在します。

 例えば、次の名句は、いずれも中七の後ろを「けり」で切り、座五に名詞を据える形をしています。

  ●凩(こがらし)の果(はて)はありけり海の音(言水)
  ●ひた急ぐ犬に会ひけり木の芽道(中村草田男)

 また、次の名句は、いずれも名詞で上五の後ろを切り、句末は活用語の終止形で結ぶ形をしています。 

  ●芋の露連山影を正しうす(飯田蛇笏)
  ●秋の暮大魚の骨を海が引く(西東三鬼)

 筆者(凡茶)も、名句の鑑賞を通じて、このような美しい俳句の形を使いこなせるようになることで、次のような自信作を詠むことができました。

  ●糸取りの祖母逝きにけり雪解雨(凡茶)
  ●露の玉工場ドスンと始まりぬ(凡茶)

 この本は、こうした佳句の生まれやすい美しい俳句の形を、読者の皆様に習得していただくことを目的としています。

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 あちこち加筆・修正はしてあるものの、内容は重複する部分が多いので、すでに前著『書いて覚える俳句の形』をお持ちの方は、本著の新たな購入に際しては慎重に検討してください


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 世の中便利になったものです。




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posted by 凡茶 at 02:05 | Comment(0) | 冬の季語(天文) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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