猫柳 (春の季語:植物)

     ねこやなぎ えのころやなぎ

猫柳
17春の季語・植物・猫柳【俳句とイラスト】.jpg
        パソコン絵画


季語の意味・季語の解説
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 小川などの水辺に自生し、高さ2メートルほどにしかならない低木。
 春の初め、猫の毛のように艶のある銀白色の花穂(かすい)をつける。
 触れると絹のように心地よい。
 春も半ばを過ぎると、ふわふわとした柳絮(りゅうじょ)を風に放つ。


季語随想
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 子供の頃、川辺に自生している猫柳や、室内に活けてある猫柳の花穂を見ると、指で感触を確かめたいという衝動を抑えることができなかった。
 大人になった今でも、この衝動にだけは必ずかられる。
 それほどまでに猫柳の花穂は、触り心地がよさそうだ。

 大人になるということには、「〜したい!」という衝動を、理性によって抑制する術を身につけるという側面がある。
 それは社会生活を送る上では、欠かすことのできない大切な術である。
 しかし、人は、その術を身に付ける過程で、子供の頃のみずみずしい好奇心もまた大量に捨てていく。

 私は、猫柳を見て「指で触れたい」という欲求が湧きあがってくると、子供の頃のみずみずしい好奇心が少し息を吹き返したように思える時がある。
 そんな感覚を大切にしながら、今後の創作生活を送っていきたいものなのだが…


季語の用い方・俳句の作り方のポイント
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 猫柳は、まだまだ寒さの厳しい早春に、あのやわらかそうな花穂をつけます。
 ですから、猫柳を季語に用いる場合は、早春のキリッと引き締まった空気を意識しながら俳句を作ります。
 ぽかぽかとした春の陽気ではなく、鋭さの残る早春の空気を意識するのです。

  尼寺裏に響く瀬音や猫柳 (凡茶)
      尼寺=にじ。 瀬音=川の浅瀬を流れる水の音。

 上の句は外に自生する猫柳を詠んだものですが、次の、室内に生けられた猫柳を詠んだ句の場合も同じです。
 そこには、早春の清冽な気が満ちています。

  猫柳生け文豪の生家守る (凡茶)
      守る=もる。

 俳句の中で、猫柳が早春の息吹として生かされれば、その句は成功です。



≪おすすめ・俳句の本≫

俳句の入口 〜作句の基本と楽しみ方 藤田湘子著
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■ 俳句はリズムである… 大切なことを教えてくれた一冊です。


 左の本に出会うまでは、伝えたいこと、表現したいことを無理やり五七五の定型に詰め込むような俳句作りをしていました。

 つまり以前の私にとって、定型は約束事だから仕方なしに守る制約にすぎなかったのです。

 しかし、この本を読んで、俳句は韻文であり、大切なのはリズムであることを知ると、定型、切れ字等の大切さが少しずつわかるようになっていきました。

 「意味」から「音」へ!
 私の俳句に対する意識を大きく変えてくれた一冊です。



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posted by 凡茶 at 03:52 | Comment(2) | 春の季語(植物) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
故郷、雪深き北海道で春を告げるのは、福寿草、蕗の薹などですが、それに先駆けて雪の残る川辺に猫柳が花穂を光らせております。
春近しを全身で感じホッとします。
私の母校・桂中学校(今は廃校)のすぐ裏に清流があり、猫柳も沢山ありました。
Posted by すてちまおかい at 2013年01月26日 11:21
すてちまおかいさん、コメントありがとうございました。

私の地元も寒さの厳しい高冷地で、今年は足の怪我も加わり不自由な生活を強いられておりますが、日の光、水の音などに少しずつ春の気配を感じられるようになってきました。

春が待ち遠しいですね。
Posted by 凡茶 at 2013年01月30日 17:06