ぶらんこ (春の季語:生活)

     ゆさはり(ゆさわり) ふらここ(ぶらここ)
     ふらんど(ぶらんど) 鞦韆(しゅうせん)
     ブランコ

ぶらんこ
14春の季語・生活・ぶらんこ.jpg
        デジカメ写真


季語の意味・季語の解説
==============================
 ぶらんこは漢語では鞦韆(しゅうせん)と呼ばれる。
 中国では冬至から105日後の寒食の日に、宮廷の女たちが鞦韆を楽しんだらしい。
 ゆえにぶらんこは、俳句においても春の季語となっている。

 冬の厳しい寒さから解放され、子供が表に出て遊び始めると、きーこ、きーこと、ぶらんこの音が聞こえ始める。
 それがいかにも春らしい。

 日本では、古くは「ゆさはり」と呼ばれ、そのうち「ふらここ」「ふらんど」などと呼ばれるようになった。
 やがて、「ぶらんこ」という呼び方が一般的になるが、おそらく日本で生まれた言葉であるにもかかわらず、不思議と「ブランコ」と片仮名表記されることも多い。


季語随想
==============================
 ぶらんこは子供の心を弾ませ、わくわくさせる遊具です。
 ぶらんこを漕ぐ子供は、視界の中を目まぐるしく入れ替わる空と大地を楽しみます。
 体をすり抜けていく風を楽しみます。

 一方、大人にとっては、ぶらんこは心を静かにさせる場所となり得ます。
 他に誰もいない公園で、きーこ、きーことぶらんこを鳴らしている大人は、何らかの理由で落ち込んでしまった気持ちを、いつもの穏やかな状態に修復しているようにも見えます。
 あるいは、そこが子供の頃に遊んだ場所ならば、過ぎてきた時間を色々と思いだしているのかもしれません。
 静かに過去を眺めていると、なぜだか心も静かになるものです。

 ただ、大人には、ぶらんこの似合う大人と、そうでない大人がいるようです。
 おそらく私は後者でしょう。
 だから、私は、今、ぶらんこを漕いでみようとは思いません。

 やがて、素敵な老い方をして、ぶらんこの似合う翁になったなら…
 子供たちが学校に行っている時間に、こそっりぶらんこに揺られてみたいと思っています。


季語の用い方・俳句の作り方のポイント
==============================
 ぶらんこは遊具ですから、この季語を用いると、心の弾む陽気な俳句が生まれます。
 次は江戸時代の三宅嘯山の句です。

  ぶらここや花を洩れ来る笑ひ声 (嘯山)

 ただ、ぶらんこの句には、明るさの中に、淋しさと言うか、ほのかな哀愁のある俳句も多いようです。
 ゆっくり漕いでいるときの「きーこ、きーこ」という音や、人が去ったあともしばらく揺れている様が、もの悲しいからかもしれません。
 あるいは、何日もの間誰も乗りに来ず、鎖のよじれがずっとそのままになっている状態なども、「あはれ」に感じます。

 小林一茶と私の句を読んでみてください。

  ぶらんどや桜の花を持ちながら (一茶)

  ぶらんこや半日かけて返す傘 (凡茶)

  ふらここの鎖に泥の乾きたり (凡茶)


≪おすすめ商品≫

正風俳句かるた
==============================
■ 「かるた」が開く俳句の扉!

 実は、「俳句かるた」が私(凡茶)と俳句の出会いでした。

 幼い頃、一茶の俳句を集めたかるたを親に買ってもらい、絵札のユーモラスなイラストが気に入って、繰り返し遊んだことを覚えています。
 そして、自然と一茶の俳句が好きになっていきました。

 その記憶があったから、大学で俳句会勧誘の貼りビラを見たとき、迷わず、入会を決めることが出来たのだと思います。

 ここで紹介している「正風俳句かるた」は、私が子どもの頃買ってもらったかるたではありませんが、季節感あふれる美しい絵札はきっと子どもたちの関心を引き付けることでしょう。

 また、実際に読みきかす俳句を含め、同じ文字で始まる四季の俳句を並べた字札は、きっと子どもたちの前に、俳句の扉を自然と開いてくれることでしょう。

 あるいは、童心に帰って、俳句仲間とかるたを楽しんでみるのもいいかもしれません。いい運動にもなりますしね。



季語めぐり 〜俳句歳時記〜 トップページへ
posted by 凡茶 at 18:40 | Comment(0) | 春の季語(生活) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント