桜 (春の季語:植物)

     朝桜 夕桜 夜桜


17春の季語・植物・桜(川沿いの桜).jpg
        デジカメ写真


季語の意味・季語の解説
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 桜とは、染井吉野、山桜、里桜、枝垂桜など、バラ科サクラ属の落葉樹の総称。
 晩春、一本の木に無数の花が開く。
 白、紅、ピンクなど、種類ごとに色もさまざまである。


夜桜
17春の季語・植物・桜(夜桜).jpg
        デジカメ写真


季語随想
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 早春、まだ寒さの残る中に梅の花を見つけると、包み込んで守ってあげたいという気持ちになる。
 対して、晩春の暖かくなってきた頃に桜の花の中を歩くと、大いなる優しさの中に包まれているような、そんな感じがする。

 桜は包容力のある花である。
 梅やその他の花の美しさが点光源の美しさであるとすれば、
 桜の美しさは広がりのある空間の美しさと言えないだろうか。

 梅が娘なら、桜は母…

 とにかく、桜に抱かれていると、何かに守られているような安心感を覚える。
 花見の賑わいの中ではそうもいかぬが、静かに桜の中に身を置くことができれば、桜の外側で待っている煩わしさから、しばしの間、身を匿(かくま)うことができる。

 すると、心の目は、外を見まわす仕事から解放され、自らの内に湧き上がってくるものの方を向くことに集中できる。

 松尾芭蕉の次の句は、そんな風にして生まれたのかもしれない。

  さまざまの事おもひ出す桜かな (芭蕉)

 私の大好きな句である。


季語の用い方・俳句の作り方のポイント
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 私は、納得のいく桜の俳句を自分で作り出す前に、松尾芭蕉の次の句と出会ってしまいました。

  さまざまの事おもひ出す桜かな (芭蕉)

 抽象的な心の内側と、ただ桜とを取り合わせたこの句を、私はとても気に入ってしまいました。
 ですから、桜を季語に俳句を作ろうとすると、どうしても、知らず知らずのうちに、この句を手本としてしまうところがあるようです。

  夢一つ置き去る旅の桜かな (凡茶)

 桜に抱かれていると、なんだか自然と己の心を俳句にまとめてみたくなります。

 ただ、これからは、より具体的に桜のある景を詠んだ客観写生句も、積極的に作っていきたいと思います。

 「桜」という季語は、「花」という季語に比べ、栄え、盛り、華やぎといった付加的な意味がやや控え目になります。
 そのことをむしろ生かして、花の色や香り、幹や枝の手触り等が伝わるような、桜そのものが生き生きと連想される句を作りたいものです。
 
  分校の墨の香包む桜かな (凡茶)


17春の季語・植物・桜(桜と城).jpg
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≪おすすめ・俳句の本≫

俳句の入口 〜作句の基本と楽しみ方 藤田湘子著
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■ 俳句はリズムである… 大切なことを教えてくれた一冊です。


 左の本に出会うまでは、伝えたいこと、表現したいことを無理やり五七五の定型に詰め込むような俳句作りをしていました。

 つまり以前の私にとって、定型は約束事だから仕方なしに守る制約にすぎなかったのです。

 しかし、この本を読んで、俳句は韻文であり、大切なのはリズムであることを知ると、定型、切れ字等の大切さが少しずつわかるようになっていきました。

 「意味」から「音」へ!
 私の俳句に対する意識を大きく変えてくれた一冊です。



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posted by 凡茶 at 20:42 | Comment(0) | 春の季語(植物) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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