新じゃが (夏の季語:植物)

     新じやが 新馬鈴薯 新ジャガイモ

新じゃが
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        デジカメ写真


季語の意味・季語の解説
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 初夏(5月〜6月)に出回る走りのジャガイモを「新じゃが」と言う。
 単に「じゃがいも」と言えば秋の季語。
 
 俳句に用いる場合は、「新じやが」と表記してもいいし、「新馬鈴薯」と書いても「しんじゃが」と読んでもらえる。

 初夏の新じゃがには、秋のじゃがいもほどのどっしりとした味わいはないが、鄙びた香りの中に爽やかさを感じることができる。 


季語随想
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 ジャガイモの原産地は南米のアンデス高地である。
 昼夜の寒暖の差が激しいアンデス高地において、ジャガイモは冷凍と解凍を繰り返しながら徐々に乾燥させられ、チューニョと呼ばれる保存食となる。
 チューニョはインディヘナ(先住民)の食文化には欠かせない重要な食料である。

 このインディヘナの主食であったジャガイモは、ヨーロッパ人によって世界に広められる。
 高冷地アンデスでも育つジャガイモは、ドイツやポーランドなど、冷涼な地域ではとくに重要な農作物となった。

 そしてジャガイモは、1600年頃、オランダ人によって日本にももたらされる。
 オランダ船がジャカルタ港から運んできたため、後に「ジャガ・イモ」と呼ばれるようになった。
 当初は食用ではなく、花の観賞用だったとも言われる。

 そんな、日本では歴史の浅いジャガイモが、今ではすっかり日常の食生活に根づき、われわれに欠かすことのできない食材となった。
 肉じゃがは家庭料理の王様となり、ポテトチップスはスナック菓子の横綱となった。
 そして、新じゃがは、初鰹やタケノコなどとともに、日本人に初夏の訪れを感じさせる代表的な旬の味となった。

 この事実を思い出すたび、私は、「日本文化は、外国の文化を取り入れて自らの日常に組み込むことに長けた文化なんだよなあ」と再認識する。
 日本人は外国の文化を排斥したり否定したりせず、貪欲に自らの文化に取り入れ、自らの一部にしてきたのである。


季語の用い方・俳句の作り方のポイント
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 「新じゃが」という季語からは、初夏の風の「さわやかな香り」に加え、新じゃがを育む大地の「土の香り」も嗅ぎとることができます。
 私は、この季語の持つ「さわやかな香り」と「土の香り」を生かして、清涼感と力強さの同居する俳句を作っていきたいと思っています。

 次は私の自信作です。
 参考にしてみてください。

  新じやがや野風の先の田舎富士 (凡茶)



≪おすすめ・俳句の本≫

俳句の入口 〜作句の基本と楽しみ方 藤田湘子著
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■ 俳句はリズムである… 大切なことを教えてくれた一冊です。


 左の本に出会うまでは、伝えたいこと、表現したいことを無理やり五七五の定型に詰め込むような俳句作りをしていました。

 つまり以前の私にとって、定型は約束事だから仕方なしに守る制約にすぎなかったのです。

 しかし、この本を読んで、俳句は韻文であり、大切なのはリズムであることを知ると、定型、切れ字等の大切さが少しずつわかるようになっていきました。

 「意味」から「音」へ!
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posted by 凡茶 at 19:48 | Comment(0) | 夏の季語(植物) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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