秋団扇(あきうちわ) (秋の季語:生活)

     秋うちは(秋うちわ) 団扇置く 捨て団扇 忘れ団扇

秋団扇
34秋の季語・生活・秋団扇(秋うちわ).jpg
        デジカメ写真


季語の意味・季語の解説
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 秋になって使われなくなった団扇を秋団扇(あきうちわ)と呼ぶ。
 単に団扇(うちわ)とすれば夏の季語。

 古くから使われる季語に「秋扇(あきおうぎ)」があるが、これより、生活感が強い。

 団扇置く、捨て団扇、忘れ団扇などの副題も「あはれ」を感じさせる。


季語随想
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 子供の頃、暑くて寝苦しい夜には、私たち兄弟が寝付くまで、父がよく団扇(うちわ)で扇いでくれた。

 父の団扇から送られてくる風は、やわらかくてとても気持ちよかった。
 父の団扇の風を浴びると、すぐに眠りにつくことができた。

 父が言葉で優しさを説くことなど一度もなかったが、団扇の風が私たち兄弟に優しさと言うものをしっかり学ばせてくれた。

 夏の猛暑の中で団扇を扇いでいても、父のことを思い出したりはしないのだが、秋になり、静かな気持ちで団扇を手にすると…

 父の団扇が送りだす優しい風がとても懐かしくなる。

  親父似の歌手も白髪に団扇置く (凡茶)


季語の用い方・俳句の作り方のポイント
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 クーラーの普及したこの時代に、夏の季語として団扇(うちわ)に注目するということだけを見ても、俳人というのは特異な表現者です。

 ただ、それに飽き足らず、涼しくなってあまり見向きもされなくなった「秋」の団扇にも詩情を抱き、それを季語として積極的に詠んでいこうというのですから…

 俳句はなんとも懐の深い文芸です。

 秋団扇が俳人に詠ませようとするもの…
 それはやはり「 あはれ 」であると思われます。 

  やせぎすの猫の踏みゆく秋団扇 (凡茶)



≪おすすめ・俳句の本≫

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 さて、俳句には、読者の心に響く美しい形というものがいくつか存在します。

 例えば、次の名句は、いずれも中七の後ろを「けり」で切り、座五に名詞を据える形をしています。

  ●凩(こがらし)の果(はて)はありけり海の音(言水)
  ●ひた急ぐ犬に会ひけり木の芽道(中村草田男)

 また、次の名句は、いずれも名詞で上五の後ろを切り、句末は活用語の終止形で結ぶ形をしています。 

  ●芋の露連山影を正しうす(飯田蛇笏)
  ●秋の暮大魚の骨を海が引く(西東三鬼)

 筆者(凡茶)も、名句の鑑賞を通じて、このような美しい俳句の形を使いこなせるようになることで、次のような自信作を詠むことができました。

  ●糸取りの祖母逝きにけり雪解雨(凡茶)
  ●露の玉工場ドスンと始まりぬ(凡茶)

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posted by 凡茶 at 19:04 | Comment(0) | 秋の季語(生活) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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