コスモス (秋の季語:植物)

     秋桜(あきざくら)

コスモス
37秋の季語・植物-コスモス.jpg
        デジカメ写真


● 季語の意味・季語の解説

 メキシコ高原が原産のキク科の花。
 ヨーロッパに渡ったのちにコスモスと名付けられた。

 コスモスとはギリシャ語で「秩序」「美」などの意味を表わす言葉である。
 8枚の花弁が、2つの十字を45度ずらして重ねたような整然とした並びをしているから、この名がついたのだろうか?
 詳しいところはわからない。

 日本にコスモスがもたらされたのは明治時代と考えられており、意外に最近である。

 しかし、繁殖力が旺盛で空き地、路傍、川原など至る所に生えるため、日本の秋の景に、もはやすっかり馴染んだ。

 秋桜(あきざくら)という呼称も与えられ、俳人は好んでこの語を用いる。

  髪解けば胸ほぐれゆく秋ざくら (古賀まり子)

 ピンク、白、赤の3色をよく目にするが、最近は黄色いものなども増えているようだ。

  コスモスの色の分れ目通れそう (稲畑汀子)


● 季語随想

 もともとメキシコの高原で揺れていたコスモスが、今ではすっかり日本の秋の風景の一部になっている。
 高級感はないが、家の周り、路傍などに咲いて、私たちを癒してくれる。

 そんなコスモスを見ていると、もともとインドのものだったカレーや、中国のものだったラーメンが、今日の日本の庶民生活に欠かせない料理になっているのと、よく似ている気がする。

 外国からやってきたものを積極的に生活に取り込み、いつしか自分たちの日常の一部としてしまう強かさこそ、誇るべき日本文化の本質である。
 
 俳句をやっていると、昔から日本にあった言葉やものをしっかり守っていきたいという気持ちが強くなる。

 ただ、その一方で、外来のものを自分たちのものとして吸収していく日本文化のたくましさのことも、忘れないでおきたい。


● 古今の俳句に学ぶ季語の活かし方

 コスモスは美しい花を咲かせますが、その淡い色は、どこか寂しさを感じさせます。

  秋桜信濃の山に吾子逝きし (福田蓼汀)

  コスモスや光りかがやく墓ばかり (村山古郷)

  コスモスや山の向かふにある母校 (凡茶)
      向かふ=向こう

  コスモスや昨日と同じ読書の子 (凡茶)

 また、コスモスは建物の周りや庭の隅など、極めて身近な場所に咲くため、生活臭さも帯びています。

  コスモスの押しよせてゐる厨口 (清崎敏郎)
      厨=くりや

  コスモスを挟み漬け物談義縷々 (凡茶)
      挟み=はさみ  縷々=るる。会話などが途切れることなく長く続くさま。

 そして何より、コスモスという花は、見ているだけで心が落ち着き、優しい気持ちになれます。

 風船をつれコスモスの中帰る (石原八束)

 秋ざくらそよぎて馬を囲みたる (佐野鬼人)



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 例えば、次の名句は、いずれも中七の後ろを「けり」で切り、座五に名詞を据える形をしています。

  ●凩(こがらし)の果(はて)はありけり海の音(言水)
  ●ひた急ぐ犬に会ひけり木の芽道(中村草田男)

 また、次の名句は、いずれも名詞で上五の後ろを切り、句末は活用語の終止形で結ぶ形をしています。 

  ●芋の露連山影を正しうす(飯田蛇笏)
  ●秋の暮大魚の骨を海が引く(西東三鬼)

 筆者(凡茶)も、名句の鑑賞を通じて、このような美しい俳句の形を使いこなせるようになることで、次のような自信作を詠むことができました。

  ●糸取りの祖母逝きにけり雪解雨(凡茶)
  ●露の玉工場ドスンと始まりぬ(凡茶)

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posted by 凡茶 at 00:16 | Comment(0) | 秋の季語(植物) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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