木守柿 (冬の季語:植物)

     木守柿(きもりがき・こもりがき)
     木守(きまもり)

木守柿
47冬の季語・植物・木守柿@.jpg
        デジカメ写真


● 季語の意味・季語の解説

 収穫を終えた柿の木に、ぽつんと一つだけ残された柿の実をよく見かける。
 これを木守柿、あるいは木守と言う。

  染の野は枯に朱をうつ木守柿 (森澄雄)

 今年もたくさんの実を与えてくれた木を労っているのか。
 それとも、来年の実りを祈念して、神に捧げているのか。
 あるいは、腹を空かせた鳥や旅人のために残してあるのか。

  朱鷺守るごとくに島の木守柿 (赤塚五行)
      朱鷺=とき。


● 季語随想

 たくさんの後悔が心の中の枝にぶら下がっている。
 柿の実をもぐように、その後悔を一つずつもいでいく。

 もいだ後悔は、忘却と言う籠に放り込んでいく。
 次々ともいでは放り込む。
 今日を生きるため、そして、明日へ進むために。

 もいで、もいで、もぎ続けたのち、一つだけ、どうしてももぎとれない後悔があることに気付く。
 もぎとって忘却の籠へ放ることの出来ない、強かな後悔があることに気付く。

 その後悔とじっくり向き合ってみる。
 すると、その後悔が、己をたくましくしてくれているということがわかってくる。

 同じ様な後悔を繰り返すまいという思いが、勇気、こだわり、粘り、そして希望の源になっていることがわかってくる。

 最後にもぎとれずに残ったこの後悔…
 それは、己という幹を、冬の寒風から守ってくれる、木守柿なのだ。


● 古今の俳句に学ぶ季語の活かし方

 枝にポツンと残された木守柿には、やはり、寂しさ、侘しさがあります。

  木守柿母校の校歌聞こえけり (凡茶)

 熟れて、少し毒々しいまでの赤に染まった木守柿からは、すさまじさすら感じます。

  血になるまで夕陽離さぬ木守柿 (長谷川秋子)

 空が穏やかな時などは、木守柿の可憐さに気付き、心にしみるような愛しさを覚えます。

  本臥せていつも眼とあふ木守柿 (福田蓼汀)
      臥せて=ふせて。

  初恋の空思ひ出す木守柿 (凡茶)



≪おすすめ・俳句の本≫

佳句が生まれる「俳句の形」 凡茶
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 さて、俳句には、読者の心に響く美しい形というものがいくつか存在します。

 例えば、次の名句は、いずれも中七の後ろを「けり」で切り、座五に名詞を据える形をしています。

  ●凩(こがらし)の果(はて)はありけり海の音(言水)
  ●ひた急ぐ犬に会ひけり木の芽道(中村草田男)

 また、次の名句は、いずれも名詞で上五の後ろを切り、句末は活用語の終止形で結ぶ形をしています。 

  ●芋の露連山影を正しうす(飯田蛇笏)
  ●秋の暮大魚の骨を海が引く(西東三鬼)

 筆者(凡茶)も、名句の鑑賞を通じて、このような美しい俳句の形を使いこなせるようになることで、次のような自信作を詠むことができました。

  ●糸取りの祖母逝きにけり雪解雨(凡茶)
  ●露の玉工場ドスンと始まりぬ(凡茶)

 この本は、こうした佳句の生まれやすい美しい俳句の形を、読者の皆様に習得していただくことを目的としています。

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 あちこち加筆・修正はしてあるものの、内容は重複する部分が多いので、すでに前著『書いて覚える俳句の形』をお持ちの方は、本著の新たな購入に際しては慎重に検討してください


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posted by 凡茶 at 13:08 | Comment(0) | 冬の季語(植物) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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