春の川 (春の季語:地理)

     春の河 春川 春の江 春江(しゅんこう) 春の瀬

麗らかな晩春の小川
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眩い光に満ちた早春の川
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季語の意味・季語の解説
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 谷底を削る河川の上流や、山里を貫く河川の中流は、春になると雪解け水を湛え、生き返ったように滔滔と流れるようになる。

 河道が狭くなる所ではとくとくと音をたて、開けた浅瀬では川底の石の上ではしゃぎ、躍動的である。

 また、海に近い下流では、春の川は表層に光、深層に力を満たして、ゆったりと流れるようになる。

 岸に目をやれば、木々の芽は膨らみ、古草の間から瑞々しい草が萌え始めている。


季語随想
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≪ 東日本大震災を受けて ≫ 2011.3.14

■ 学生時代・教員時代を過ごした第二の故郷仙台・三陸が、未曾有の大災害に見舞われた。

 友人と海水浴に訪れた七ヶ浜や仙台の荒浜、サークルの合宿地となった野蒜海岸、たくさんのもてなしを受けた親友の実家がある気仙沼、部活動の引率で生徒と訪れた女川、一人旅で滞在した宮古…
 テレビを見ていると、大切な思い出の場所が、大津波で壊滅的な打撃を受けた町として、次々と報じられていく。

 目を覆いたくなるような惨状が画面に映るたびに、呆然となる。
 被災地の地名と懐かしい人たちの顔が頭の中で結びつく。
 感情の高ぶりが襲ってくる前に、涙がとめどなくあふれてくる。

 私の住まいも長野県栄村付近を震源とする群発地震で繰り返し揺れ、脱力感に恐怖心も加わる。
 正直、あれから何も手に付かなかった…

■ しかし、マグニチュード9.0の巨大地震から三日、海外からの励ましの声や善意が日本にいっぱい届けられているということをテレビで知った。
 うれしかった。
 ありがたいと思った。
 そして、私も日本人として何らかの行動を起こし、その思いに報いなければならないと思い、こうしてブログの執筆を再開した。

 ありがたいことに、震災前から、このブログには毎日500人程度の読者が訪れて下さる。
 その読者の皆様に、私の思いを真摯に伝えること、それを私の震災後の活動の第一歩とすることにした。

 私が伝えたいこと、それは、日本は今こそ争いの濁流から流路を変え、協調と言う温かさで満ちた春の川となって、前向きな気持ちを失わずに復興を目指そうと言う思いだ。

■ 震災後、世界の多くの国々が、日本への全面的な支援を表明して下さった。
 日本より経済的に恵まれない国々も、そして、領土・歴史等の様々な問題を互いに抱えてきた国々も…

 これまで日本が世界各地の被災地に人的・物的支援を率先して行ってきたことが、このようなありがたい形で、国際社会から帰ってきた。

 まるで世界中から温かい春の小川が涸れかけた日本という川へたくさん流れ込んできて、国難の日本を「希望」という春の光を帯びた、復興への大きな川に生まれ変わらせてくれているかのようだ。

 震災前、インターネットの書きこみや一部の政治家・文化人の発言に、「愛国心」と「外国を敵視する心」を取り違えているような煽動的なものが増えていた。
 しかし、いざという時に日本を助けてくれるのは、そのようなナショナリズムではない。

 日本に、この国難から復興するチャンスを与えてくれたのは、世界を愛して世界に貢献することで、世界の評価を地道に獲得してきたくれた日本人たちの地道な活動であった。
 
 温かい心、協調しようとする心、貢献しようとする心、助け合おうとする心は、必ず同じ心となって、暖かい春の川となって、自分のもとへ戻ってくるのだ。
 
■ 政治も、互いの粗をけなし合って議席を奪い合うような諍いの政治は即座にやめ、知恵を出し合って、この未曾有の大災害から復興する道しるべを国民に示してほしい。
 与党も野党もない。
 新自由主義も社会主義も、保守もリベラルもない。
 互いに手を取り合い、「日本の復興」これを唯一の政治目標として、国家を牽引してもらいたい。

 国民一人一人が、光り輝き躍動する春の小川となり、復興に向けて合流し、再び大河となって流れ始めるためには、右も左もなく、全ての政治家が一丸となって進むべき流路を示す必要があるのだ。
 政治家同士が、罵り、つぶし合う姿を見ても、国民の心は少しも躍らない。


季語の用い方・俳句の作り方のポイント
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 上流の春の川を俳句に詠むときは、雪解け水を湛えて勢いを増した川の、躍動感を読者に伝えたいと思います。

  春の川底の荒きを喜べり (凡茶)

 力を宿し、光を放ちながらゆったり流れる春の川の下流を俳句に詠むときは、駘蕩たる気分が伝わるようにしたいものです。

  釣り人に関取混じる春の河 (凡茶)

 古句においても、春の川は、人々の気持ちを弾ませるものとして詠まれました。

  散る花の外は流れず春の川 (天野桃隣)



≪おすすめ・俳句の本≫

俳句の入口 〜作句の基本と楽しみ方 藤田湘子著
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■ 俳句はリズムである… 大切なことを教えてくれた一冊です。


 左の本に出会うまでは、伝えたいこと、表現したいことを無理やり五七五の定型に詰め込むような俳句作りをしていました。

 つまり以前の私にとって、定型は約束事だから仕方なしに守る制約にすぎなかったのです。

 しかし、この本を読んで、俳句は韻文であり、大切なのはリズムであることを知ると、定型、切れ字等の大切さが少しずつわかるようになっていきました。

 「意味」から「音」へ!
 私の俳句に対する意識を大きく変えてくれた一冊です。



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posted by 凡茶 at 20:21 | Comment(0) | 春の季語(地理) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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