初写真 (新年の季語:生活)

     はつしゃしん

初写真
54新年の季語・生活・初写真【イラスト】.jpg
        パソコン絵画


季語の意味・季語の解説
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 新年になり初めて行う写真撮影、または、その時撮影した写真のこと。

 嫁いだ娘や遠方に就職した息子が帰省し、久々に全員揃った家族を撮影することもある。

 また、思い切って新調した晴れ着を娘や孫に着させ、その姿を撮影することもある。

 セルフタイマーのついたカメラが普及する以前は、プロの写真家に、年始の記念写真を撮らせる家も多かったようだ。


季語随想
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 仙台にいた頃お世話になったFさんという方が、こんなことをおっしゃていました。

 “私は、正月には必ず家族と初写真を撮るようにしています。
 そうすることで、私がどのような歳のとりかたをしているか、毎年チェックしているのです。

 若い人たちの表情が前年よりも生き生きとしていたら、私が上手に歳を重ねた証拠。
 歳をとることで自分の性格が丸くなり、家族をリラックスさせている証拠。

 逆に、若い人たちの表情が前年よりも緊張し、こわばっていたら、私がへそ曲がりになってきた証拠。
 歳をとることで気難しくなり、家族に気を遣わせてしまっている証拠。”


 私は偏屈じじいになる素質たっぷりの人間ですから、時々Fさんの言葉を思い出しては、心を丸くするよう心がけています。
 意地を張らず、柔らかい心で人と接するよう注意しています。

 いくらか成果が表れてきたのでしょうか、今年の初写真は、みんな良い表情をしています。


季語の用い方・俳句の作り方のポイント
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 初写真を季語に据えた俳句を見てみると、家族を詠んだものに佳句が多いようです。
 そこで私も、家族をモチーフに、初写真の俳句を作ってみることにしました。

 その際、五七五の17字から「は・つ・しゃ・し・ん」の5字を引いた12字を使い、自分の家族を端的に紹介するようなつもりで一句を仕上げたら、それなりの俳句が出来上がったようです。
 よろしかったら参考にしてみてください。

  父系顔母系顔あり初写真 (凡茶)

 私は父方の祖父、弟は母方の祖母によく顔が似ています。
 叔父(父の弟)は祖母、二人の叔母(父の妹)は、一人が祖父、一人が祖母によく似ています。
 家族・親戚で写真を撮るたび、「血筋って面白いなあ」と思います。

  胸の猫そっぽ向きたり初写真 (凡茶)

 母は飼い猫をもはや家族の一員と思っています。
 一度冗談に飼い猫をいくらだったら他人に売るかと聞いたところ、一億円積まれても売らないと言っていました。

 それほどの愛情を受けていると、当の猫は気付いているのやら、いないのやら…


≪おすすめ・俳句の本≫

新版20週俳句入門 藤田湘子著
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■ どこに出しても恥ずかしくない俳句を詠めるようになる本です

 昭和63年に出された旧版『20週俳句入門』があまりにも優れた俳句の指導書であったため、平成22年に改めて出版されたのが、この『新版20週俳句入門』です。

 この本は、
   〔型・その1〕 季語(名詞)や/中七/名詞
   〔型・その2〕 上五/〜や/季語(名詞)
   〔型・その3〕 上五/中七/季語(名詞)かな
   〔型・その4〕 季語/中七/動詞+けり

 の4つの型を、俳句を上達させる基本の型として、徹底的に読者に指導してくれます。

 これらをしっかり身につけると、どこに出しても恥ずかしくない俳句を詠めるようになるでしょう。

 王道の俳句を目指す人も、型にとらわれない斬新な俳句を目指す人も、一度は読んでおきたい名著です。





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posted by 凡茶 at 17:25 | Comment(0) | 新年の季語 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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