西瓜(すいか) (秋の季語:植物)

     すいくわ スイカ

西瓜(すいか)
37秋の季語・植物・西瓜(すいか).jpg
        デジカメ写真


季語の意味・季語の解説
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 西瓜(すいか)は、暑い時期に出回り、体の渇きをいやしてくれる。
 そのため、一般には夏の季語と考えられがちである。

 しかし、最も甘くなる旬は立秋(8月7日頃)を過ぎたお盆の頃であるため、秋の季語とされる。

 西瓜の原産地は、アフリカ中南部の乾燥帯から明瞭な乾季のあるサバナにかけてである。
 その厳しい乾燥に耐えるために、たっぷりと実に水分と糖分を蓄えるようになったのであろう。

 西瓜はアフリカから西アジアを経て、中国の西方にある中央アジアに伝わり、そこから中国へ伝わった。
 そのため、「西」の「瓜」と表記される。

 日本へは中国から室町時代以降に伝来した(詳しい時期は定かではない)。


季語随想
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 西瓜(すいか)の種を食べると盲腸になる…

 そう聞かされて育ったが、どうもこれは間違いらしい。
 実際、中国では、西瓜の種を炒って、ポリポリと食べているとのことだ。

 また、西瓜の赤い部分を食べた後、残った皮は当たり前のように捨ててきた。
 しかし、西瓜の皮は漬物にするととても美味しいらしい。

 実際、日本のいくつかの地域で、残った皮を漬物として再利用しているようだ。

 素晴らしい食文化、食習慣だと思う。

 私も、インターネットでレシピを調べ、そのうち、炒った種や、皮の漬物を食べてみたいと思う。

 ただ、自分以外の者に、再利用した西瓜の種や皮を勧めるのはやめておこうと思う。

 それは、西瓜の皮の漬物のことが話題に出た際、そこにいた若い人が、人が一度口にした西瓜の皮を食べるのは、たとえ漬物にした後でも抵抗があると、正直な気持ちを言ってくれたからだ。

 これを聞いた時、なんだか淋しい気もした。
 でも、その人の気持ちもよくわかる。

 まずは自分で食べた西瓜の種と皮を、自分で炒ったり、自分で漬けたりして楽しんでみたい。

 そうこうしているうちに、種や皮の加工品が、商品として普通のスーパーに出回るかもしれない。


季語の用い方・俳句の作り方のポイント
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 西瓜(すいか)の産地に行く機会を得たら、収穫前の西瓜畑をよく観察し、写生句を詠んでみましょう。
 
 発見したことをうまく俳句に表現できたら、旨そうな西瓜がゴロゴロと転がっている畑を、いきいきと読者に連想してもらえるでしょう。

 おまけに、西瓜畑の上に広がる、晩夏から初秋の良く晴れた爽やかな空も連想してもらえるでしょう。

  畠から西瓜くれたる庵主かな (炭太祇)

  西瓜ひとり野分を知らぬあしたかな (山口素堂)

  西瓜畑遠くに一つ割れゐたり (凡茶)

 西瓜はとても大きく、重たい青果ですから、買い求めたあとは、運ぶのにひと苦労します。
 そんな様子を上手に俳句で表現できれば、生活感のある佳句となります。

  こけさまにほうと抱ゆる西瓜かな (向井去来)

  華奢なる身西瓜に寄せて後部座席 (凡茶)
      華奢=きゃしゃ。ほっそりとして上品な様。

 西瓜は口の周りをべたべたに濡らして食べるものです。
 西瓜を食べる様子を詠んだ俳句は、鑑賞する側もそうゆう粗野な食べ方を連想しながら読みますから、作り手もそのことを自覚して作るべきでしょう。

  西瓜くふ奴の髭の流れけり (宝井其角)
      奴=やっこ。武家に仕える身分の低い者。  髭=ひげ。

  出女の口紅をしむ西瓜かな (各務支考)
      出女=宿屋の客引きをする女。

  見るたびに子役男へ西瓜食ふ (凡茶)

 最後に、微笑ましい俳句を一句。
 丸くて甘い西瓜は、ユーモアがよく似合います。

  板の間に子の這ひかかる西瓜かな (使帆)



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posted by 凡茶 at 05:17 | Comment(0) | 秋の季語(植物) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする


林檎(りんご) (秋の季語:植物)


林檎(りんご)
37秋の季語・植物・りんご(林檎)【イラスト】.jpg
        パソコン絵画


● 季語の意味・季語の解説

 晩秋から冬にかけて流通するが、単に林檎とした場合は秋の季語として扱われる。
 冬季の林檎であることを俳句の読者に伝えたいときは、冬林檎という冬季の季語を用いる。

 鮮やかな赤色が特徴で、それを意識した作品が多い。

  刃を入るる隙なく林檎高潮す (野澤節子)

 切って食べたり、丸かじりにしたりするほか、ジュースや菓子の材料ともなる。
 青森や長野で生産量が多い。

 なお、まだ赤く色づいていない青林檎は夏の季語。


● 季語随想

 林檎(リンゴ)の見た目と甘さについて。

 子供のころから、林檎は赤ければ赤いほど、甘いものなのだと思っていました。

 しかし、最近、林檎の赤さは、果皮が日焼けしたものであり、甘さとはあまり関係がないのだということを聞きました。

 と、いうより、赤く日焼けさせるために、果実の周囲の葉をむしり取ってしまった林檎よりも、葉をむしらずにたっぷり栄養を与えてやった、ところどころ黄色い林檎の方が、むしろ甘いものだと教わりました。

 林檎の甘さは、鮮やかな赤ではなく、赤の下地にある色で見極めた方がよいというのです。

 つまり、赤の下地がまだ緑がかったものは未熟で酸っぱく、黄色くなったものは、よく熟れて甘いのだそうです。

 私は、このことを知った分だけ、ちょっぴり人生を豊かにすることができました。

 「知る」ということは本当に素晴らしいことであり、「知らぬ」ということは、ずいぶん、損なことだとつくづく思います。

 これからも、「知る」ということには、貪欲であり続けたいと思います。

 「知りたい」と思う心がある限り青春です!


● 古今の俳句に学ぶ季語の活かし方

 林檎の最大の特徴は、人目をひく外見です。

 深紅の大ぶりの実は、西洋から来た気品のある大人の女性のようであり、まだ赤の浅い小ぶりの実は、東北の農村から都会へやってきた少女のように可憐です。

 この、見る者の目に強い印象を残す林檎という語を季語として用いる場合は、大胆な取り合わせを心がけたいものです。

 林檎という強い季語に負けない、インパクトのある物、景色、状況を取り合わせてみましょう。

  林檎むく五重の塔に刃を向けて (野見山朱鳥)

  独房に林檎と寝たる誕生日 (秋元不死男)

  死顔や林檎硬くてうまくて泣く (西東三鬼)

  林檎のみあたらし瞽女のお仏壇 (西本一都)
      瞽女=ごぜ。三味線を携えて巡業を行う目の不自由な女性。

  夕映えへ林檎流るる最上川 (凡茶)

 ところで、林檎はとてもなじみ深い果物ですが、俳句の季語としては扱いづらい曲(くせ)者らしく、「林檎といったらこの俳句!」というような名句はまだ生まれてないように思います。

 ですから、あなたの詠んだ林檎の佳句が、日本のすべての林檎の句を代表する不朽の名句になる可能性もあります。

 とにかく多作を心がけ、いろいろな林檎の魅力を引き出してみましょう。



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 俳句には、読者の心に響く美しい形というものがいくつか存在します。

 例えば、次の二句は、上五の名詞で一旦切り、座五の「けり」でも句末を切る形をしています。

  ●月天心貧しき町を通りけり  蕪村
  ●赤蜻蛉筑波に雲もなかりけり  正岡子規

 次の二句は、形容詞の終止形で中七の後ろを切り、座五に名詞を据える形をしています。

  ●五月雨をあつめて早し最上川  芭蕉
  ●鐘ひとつ売れぬ日はなし江戸の春  其角

 このテキストは、このような俳句の美しい形を、読者の皆様に習得していただくことを目的としています。

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posted by 凡茶 at 01:19 | Comment(0) | 秋の季語(植物) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする