春愁 (春の季語:生活)

     春愁(しゅんしゅう) 春愁ひ(はるうれい)
     春愁ふ(はるうれう) 春かなし

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        パソコン絵画


季語の意味・季語の解説
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 万物が明るく輝く駘蕩とした春、なぜか人々は心細くなったり、気持ちが沈んだりするものだ。
 そんな春のもの悲しさを春愁と言う。

 春愁は、悲しみ、憎しみ、失望のようなはっきりとした心の状態ではない。
 もの憂さ、もの寂しさなどの、漠然とした陰性感情である。


季語随想
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 春は変化することを周囲に期待され、また、自分に期待する季節。
 新しい職場、新しい教室、新しい生活、新しい人間関係の中で、新しい自分になることを要求され、新しい自分になりたいと思う季節。

 春愁とは、新しい自分によって、心の深層から表層まで追われてきた、それまでの自分なのかもしれません。 


季語の用い方・俳句の作り方のポイント
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 春愁を季語に俳句を詠むとき、愁いが生じた理由を説明するように詠む必要はないでしょう。
 もちろん、それを上手にしている俳句もたくさんありますが、私は、春愁の心に飛び込んできた景を、さりげなく句に生かすようにしています。

  白ワインほどの色ある春愁ひ (凡茶)

  春愁や上澄みに浮く脂肉 (凡茶)



≪おすすめ・俳句の本≫

俳句の宇宙 長谷川櫂著
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■ 俳句は深くて、面白いなあ… 心からそう思えた本でした!


 最も私の心をとらえたのは第四章「間について」
 この章を読み、俳句の「切れ」を「間」と捉え、その「間」をじっくり味わおうとするようになってから、既に目にしていた名句が、それまでとは違って見えてくるようになりました。

 また、第七章「宇宙について」も、面白くてあっという間に読んでしまいました。
 この章で、「造化」というものに関する著者の考え方を読んでから、芭蕉の時代の句に接する際は、その句が生み出される場としての「造化」というものを読み取ってみようと意識するようになりました。
 もちろん、私ごときが読み取ろうと思って読み取れるような浅いものではないのですが…

 とにかくこの本は、
 「自分が足を踏み入れた俳句の世界は、どこまでも深いんだなあ。そして、深みに潜れば潜るほど、新しい面白みに接することができるんだなあ… 」
 そんな気持ちにさせてくれる一冊でした。



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posted by 凡茶 at 05:27 | Comment(0) | 春の季語(生活) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする


梅見 (春の季語:生活)

     観梅(かんばい)

14春の季語・生活・梅見【俳句】.jpg
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季語の意味・季語の解説
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 梅の花を観賞しに出かけること。
 また、その馥郁(ふくいく)たる香りを楽しむこと。
 桜の花見は「花より団子」になりがちだが、梅見の主役はやはり「梅の花」である。


季語随想
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 ずっと昔のことですが、大学へ進学する弟の引っ越しを手伝うために、家族で大阪を訪れたことがあります。
 引っ越しを済ませた後、大阪城の梅を皆で観賞しました。
 
 おそらく周りには、梅見客の関西弁が、それはもう賑やかに飛び交っていたはずです。
 
 しかし、今、あの日のことを振り返ると、脳裏には、なぜか閑かさの中に咲く梅の花だけがよみがえってきます。
 
 周囲は笑い声や話し声で満たされていたはずなのですが、それらは全て梅の幹や枝に吸収され、可憐な花と馥郁たる香りだけが思い出されるのです。
 梅の花には、観ているその時だけではなく、その後何年にもわたって人の心に閑かさをもたらす、不思議な力が宿っているようです。

 梅の花が喧噪を記憶から消し去ってくれたためか、私は、そのとき両親の胸の中にあった一抹の淋しさを、今でも自分の感情のように思い出すことができます。
 それは、初めて弟と離れ離れに暮らすことになる親の淋しさです。
 両親は、私が一人暮らしを始める際にも、きっと同じような淋しさを胸に満たしていたことでしょう。
 梅はまた、淋しさのよく似合う花でもあります。
 
 菅原道真が京から太宰府に左遷される際に詠んだ歌をここで紹介します。

  東風吹かば匂ひおこせよ梅の花主なしとて春を忘るな (菅原道真)

 なお、道真の梅の木は、その後「飛梅(とびうめ)」となって、京から太宰府に飛んでいき、大宰府で再び咲き匂ったという言い伝えがあります。


季語の用い方・俳句の作り方のポイント
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 梅見は楽しい行事です。
 心がうきうきします。
 しかし、梅見は静かに行いたいものです。
 静かに花を愛で、静かに香りを楽しみ、心を癒したいものです。

 ですから、梅見を季語に俳句を詠む場合は、「うきうき」しつつも、「しずか」な一句を仕上げるよう、心がけています。

  薬飲む白湯を所望し梅見茶屋 (凡茶)

  観梅や旧式カメラ首に提げ (凡茶)


≪おすすめ・俳句の本≫

新版20週俳句入門 藤田湘子著
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■ どこに出しても恥ずかしくない俳句を詠めるようになる本です

 昭和63年に出された旧版『20週俳句入門』があまりにも優れた俳句の指導書であったため、平成22年に改めて出版されたのが、この『新版20週俳句入門』です。

 この本は、
   〔型・その1〕 季語(名詞)や/中七/名詞
   〔型・その2〕 上五/〜や/季語(名詞)
   〔型・その3〕 上五/中七/季語(名詞)かな
   〔型・その4〕 季語/中七/動詞+けり

 の4つの型を、俳句を上達させる基本の型として、徹底的に読者に指導してくれます。

 これらをしっかり身につけると、どこに出しても恥ずかしくない俳句を詠めるようになるでしょう。

 王道の俳句を目指す人も、型にとらわれない斬新な俳句を目指す人も、一度は読んでおきたい名著です。





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posted by 凡茶 at 18:23 | Comment(0) | 春の季語(生活) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする


卒業 (春の季語:生活)

     卒業式 卒業歌 卒業生

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季語の意味・季語の解説
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 日本では、小学校から大学まで、学校の卒業式は3月に行われる。
 ゆえに春という季節は、若者にとっては別れの涙を流す季節となった。

 そして春という季節は、気持ちを切り替え、新たな自分を創造しはじめる季節ともなった。

 一方、卒業生を送り出した教師や、育てた親にとっては、春は感慨深い季節であると同時に、ほっとする季節でもある。


季語随想
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 私には、かつて高校教師をしていた時期があります。
 常に自分に自信の持てない、赤点の教師だったように思います。

 しかし、卒業式の日に、卒業生の担任として、卒業生の名前を一人一人読みあげているときだけは、教師としての自分をほめてやりたくなりました。

 色もまちまち、長さもまちまち、先の尖がったのもいれば、丸くなったのもいる…

 そんな色鉛筆のような生徒たちと、真剣に向き合って、悩み、様々な判断を重ねてきた自分を、ちょっとだけ、ほめてやりたくなりました。

  卒業生呼名授業の声でせり (凡茶)


季語の用い方・俳句の作り方のポイント
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 卒業という季語には、希望と不安、惜別の情、感謝、後悔、達成感、解放など、さまざまな感情が詰まっています。

 ですから、何か、さりげない事物とこの季語を取り合わせてやると、ほどよい加減で、すっきり胸に入ってくる、中和された俳句が出来上がります。

  卒業や丈の揃はぬ色鉛筆 (凡茶)



≪おすすめ商品≫

歳時記の収録されている電子辞書
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CASIO エクスワード XD-D6500BK


 以前は、句会・吟行といえば、辞書や歳時記などを持参しなければならず、これが結構重いものでした。

 しかし、今は歳時記入りの電子辞書が登場したおかげで、ずいぶん持ち物が軽くなりました。

 例えば、左の電子辞書には、次の歳時記が納められています。

合本俳句歳時記 四訂版
現代俳句歳時記
(春・夏・秋・冬・無季)
ホトトギス俳句季題便覧


 また、次のような収録コンテンツも、きっと俳句の実作、吟行に役立つでしょう。

広辞苑 第六版
全訳古語辞典 第三版
漢語林


 読めない漢字も手書きで検索できますし、俳人にとっては実にありがたいですね!

 この電子辞書には、他にも、百科事典や、日本と世界の文学作品(各1000作品)等、さまざまなコンテンツが収められていて、とにかく飽きません。
 世の中便利になったものです。




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posted by 凡茶 at 03:42 | Comment(0) | 春の季語(生活) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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