春の季語<動物> 〜目次ページ〜

鶯(うぐいす)
16春の季語・動物・鶯(うぐいす)【イラスト】.jpg
        パソコン絵画

鶯(うぐいす)は「ホーホケキョ」と鳴く春を代表する鳥。初めて聞く鶯の声を「初音(はつね)」と呼んだりして喜ぶ。多くの俳人が好んで用いる春の季語。


掲載季語(50音順)

<あ行の季語>
鶯(うぐいす)

<か行の季語>


<さ行の季語>
囀(さえずり)
桜貝

<た行の季語>


<な行の季語>
蜷(にな)
猫の恋

<は行の季語>
春の蠅
引鴨

<や行の季語>
寄居虫(やどかり)

<わ行の季語>
公魚(わかさぎ)



≪おすすめ・俳句の本≫

俳句の入口 〜作句の基本と楽しみ方 藤田湘子著
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■ 俳句はリズムである… 大切なことを教えてくれた一冊です。


 左の本に出会うまでは、伝えたいこと、表現したいことを無理やり五七五の定型に詰め込むような俳句作りをしていました。

 つまり以前の私にとって、定型は約束事だから仕方なしに守る制約にすぎなかったのです。

 しかし、この本を読んで、俳句は韻文であり、大切なのはリズムであることを知ると、定型、切れ字等の大切さが少しずつわかるようになっていきました。

 「意味」から「音」へ!
 私の俳句に対する意識を大きく変えてくれた一冊です。



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囀(さえずり) (春の季語:動物)


     囀り 囀る さへづり

16春の季語・動物・囀り.jpg
        デジカメ写真


季語の意味・季語の解説
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 囀り(さえずり)とは、主に繁殖期の鳥の雄(オス)が発する音楽的な鳴き声のこと。

 ライバルの雄に自分の縄張りを知らせるため、あるいは、雌(メス)の気を引くために、地鳴き(平時の鳴き声)とは異なる美しい旋律を奏でる。

 多くの鳴禽類が春に繁殖期を迎えるので、囀りも春の季語となっている。
 雲雀(ヒバリ)のピーチュルや、鶯(ウグイス)のホーホケキョ、頬白(ホオジロ)の一筆啓上仕候(イッピツケイジョウツカマツリソウロウ)などの声が囀りである。


季語随想
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 森のはずれにコンビニエンスストアを見つけた。
 コンビニのベンチにかけて缶コーヒーで温まっていると、鳥たちの囀りが聞こえてくる。
 しばし心地よく聞き入った。

 しばらくすると、カーステレオの大音響を伴って、一台の車が乗りつけた。
 美しい囀りをかき消すその耳障りな車には、若いカップルが乗っている。
 やがて運転席の青年は車窓を開け、なんのためらいもなく、吸い殻入れの中身をどっさりとコンクリートの上に捨てた。

 二十歳そこそこの青年だ。
 しかし、おそらく数百万円はする高級車に乗っている。

 親に買い与えられたものだろうか?
 それとも、商才に長けた青年なのだろうか?
 着ているスーツも高級品だ。

 日本が格差社会になっていく過程で、多くの格差容認論者が、「能力のある者に富が集中するのは当たり前だ」という言説を放った。
 その考え方には賛否両論があるだろうが、少なくとも次のようなことは言えるだろう。
 今の日本の格差社会は、モラルや思いやりの無い者にも富を享受する資格を与え、その富を拡大させることを是認している。

 私は青年にもがっかりしたが、お洒落な服を着た同乗の女性にもがっかりした。
 青年が窓から煙草の吸殻を外に撒き散らしても、注意するどころか、顔色一つ変えない。
 彼女はヘラヘラ笑いながら車を降り、コンビニの中へ入って行った。

 彼女は、いったい青年のどこに魅力を感じて付き合っているのだろう。
 財力か? それともイケメンとも言えそうな容貌か?

 最近、マスメディアが、マネーゲームの勝者や未成熟なイケメンをもてはやす傾向を強めているように思えてならない。
 そして、そうでない人物を安易に蔑むようなテレビ番組を何度も見せらている。

 そうした環境の中で育った彼女に、互いの精神を清らかに磨き合えるような恋をしなさいと言ったところで、失笑されてしまうのかもしれない。

 さて、私を最もがっかりさせたのは、この二人の若者ではない。
 若者たちが去り、コンビニの店員さんに吸殻を掃除した方が良いと教えに行くまで、青年の行為の一部始終を、見て見ぬふりしていたこの私である。

 熱血漢だった若い時分なら、「君、今捨てたゴミを拾いたまえ!」と一言注意していたはずだが、今はそういう勇気がすっかり萎んでしまった。
 もめごとには極力巻き込まれないよう、事勿れ主義で過ごしている。 
 
 青年、女性、己… 三人の愚か者を目の当たりにして、すっかり気持ちの沈んでしまった私は、人間から遠ざかりたいと、森の奥へと移動した。

 原稿の締め切りが次々と押し寄せる日々の中にやっと見つけた貴重な休日。
 鬱憤をためたままではもったいないから、気分を切り替えようと鳥たちの囀りに耳を澄ませた。
 
 森の中は、コンビニのベンチに居たときよりも、さらにたくさんの囀りが聞こえる。
 繰り返し鳴くもの、鳴き続けるもの、一度鳴いてそれきり鳴かぬもの… さまざまな鳥の声が心の中から鉛を取り除いてくれる。

 こわばった表情が、やわらかく緩んでいくのがわかった。

 鳥たちの囀りを聞いていてふと思った。
 吸殻を捨てた青年も、たまにはカーステレオをかけずにドライブをして、あの攻撃的な音響から解放されてみたらいいのにと。

 そして、車を止めた先で自分が鳥たちの声に包まれているのに気づき、そこから優しさみたいなものを感じ取ってくれればいいのにと。

 一瞬でも鳥たちの声に癒されれば、自分を生かしてくれている地球に対し、あのような思いやりのない行為は出来なくなるのではないか。

 一方、私は、傍若無人な若者をその場で一喝できるほどの熱さと勇気はもう失った。
 しかし、囀りに包まれているうちに、少し前向きな発想をできるようになった。

 鳥たちの囀りを聞いて、優しく清らかに笑うことのできる、そんな若者を育む努力は、こんな私でも、まだしていけるのではないかと。

 ホットコーヒーでも飲みながら、この囀りの中で、もうしばらく己のなすべきことを考えてみたいと思った。
 一旦さっき逃げ出してきたコンビニに戻り、缶コーヒーを買って、再び森の中へ戻った。

 森とコンビニを往復する途中でも、鳥たちは惜しげなく私のために囀ってくれた。


季語の用い方・俳句の作り方のポイント
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 私の親友に、中学校で国語の先生をしていた人がいます。
 ある日、彼は、「教科書に載っている俳句の中で、どの句が一番好きですか。」と、生徒達に質問してみました。
 すると、次の一句に生徒の人気が集中したそうです。

  囀をこぼさじと抱く大樹かな (星野立子)

 生徒たちは、この俳句を読んで、心の弾むような感じを覚えたのでしょう。
 そう、春の訪れを告げる鳥の囀り(さえずり)は、冬の間は縮こまっていた人々の心を、一気に弾ませます。

 ですから、囀りの中で見たものは、普段はなんとも思わないようなものであっても、俳人の心にささやかな喜びを芽生えさせます。

  囀るや蔵も障子も木々の影 (松木淡々)

  囀りや母校まだある古き地図 (凡茶)

 また、春到来の象徴とも言うべき鳥の囀りは、俳句に託して希望を表現するのにぴったりの季語と言えるでしょう。

  囀りやノートに育つ未来都市 (凡茶)


この鳥の名前、ご存知ですか?
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 今回、この「囀り」の記事を書くにあたり、使えそうな写真を探していたら、古いSDカードから次のようなものを見つけました。

16春の季語・動物・囀り(鳥@).jpg
        デジカメ写真

16春の季語・動物・囀り(鳥A).jpg
        デジカメ写真


 以前に、長野県の霧ヶ峰高原で撮影した鳥の写真なのですが、その名前がわかりません。
 模様などからして、雲雀(ひばり)かなとは思っているのですが…

 もし、この鳥の名前がおわかりの方がいましたら、コメント等で教えていただけると幸いです。(凡茶)



≪おすすめ・俳句の本≫

俳人にお薦めの国語大辞典
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 俳句を続けていると、一家に一冊は大きな国語辞典を置きたくなるもの。ここでは、私も愛用しているお薦めの国語大辞典を紹介します。

@ 言泉―国語大辞典
■ 旧仮名遣いの俳人に便利な一冊!
 単語を調べると、「旧仮名遣い」や、「文語の場合の活用」などが添えられており、とても便利です。
 例えば、「おわる(終わる)」の語には、「をはる」という旧仮名遣いが添えられています。また、≪自ラ五(四)≫という表現で、この動詞が口語ではラ行五段活用、文語ではラ行四段活用の自動詞であることを示してくれています。

A 講談社カラー版日本語大辞典(第二版)
■ 豊富なカラー写真が役に立ちます!
 

 季語の写真はカラーの大歳時記で見られますが、無季の物(雑の詞)の写真は見られません。
 無季の物(雑の詞)の写真を参考にしたい時に、役立つ一冊です。
 


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posted by 凡茶 at 06:23 | Comment(0) | 春の季語(動物) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする


蜷(にな) (春の季語:動物)

     川蜷(かわにな) カワニナ みな 蜷の道

16春の季語・動物・蜷.jpg
        パソコン絵画


季語の意味・季語の解説
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 蜷(にな)は、川、池、沼、田などに棲む細長い巻貝。
 現在ではカワニナと呼ぶのが一般的。

 春になると、温くなった川や、水の張られたばかりの田に現れ、底を這うようになる。
 そのとき泥につく移動の跡が蜷の道(下の写真を参照してください)。

 蛍の餌として飼育されるが、人の食用にもなる。
 ただし、寄生虫には注意しなければならい。

 なお、カワニナによく似た貝に、ウミニナ(海蜷)やイソニナ(磯蜷)があるが、これらは、カワニナとは別種の貝で、海に生息する。

蜷の道
16春の季語・動物・蜷の道@.jpg

16春の季語・動物・蜷の道A.jpg


季語随想
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 私の通った小学校には裏山があり、その裏山の裾には、子供でも飛び越えられるほどの小川が流れていました。

 そして、その小川の底には、小粒のものから大粒のものまで、たくさんのカワニナが棲みついていました。
 子供たちは、はじめこれを「タニシ」と呼んでいました。

 ある日、生き物に詳しい一つ年下の遊び友達が、私に教えてくれました。
 「これはタニシじゃないよ。カワニナだ。カワニナは成長するとホタルになるんだ」と。

 もちろん、これは誤りです。
 その子は、カワニナがホタルの幼虫の餌になるという事実を本か何かで目にした時、カワニナが成長してホタルになるのだと勘違いしてしまったようです。

 でも、そんな事実を知るはずもない私は、どうしてもカワニナがホタルへと成長するところを見てみたくなり、たくさんのカワニナを川底から摘みあげて帽子に入れ、家に持ち帰りました。
 そして、親には「これが大きくなるとホタルになるんだ」と興奮気味に話し、カワニナを飼育するための水槽を用意してもらいました。

 翌日、学校でも担任の先生にいきさつを話し、既にメダカを飼っている水槽でカワニナも飼ってもらうことにしました。

  ひいふうみい帽子の蜷を水槽へ (凡茶)

 それから、何ヶ月か待ちました。
 しかし、家のカワニナも、学校のカワニナも、水槽の壁にペッタリと肉を張り付けているだけで、いっこうにホタルにはなりません。

 「どうしていつまでもホタルにならないのだろう?」
 不思議に思った私は、図書室の図鑑で、ホタルやカワニナについてしっかりと調べてみました。
 言うまでもなく、そこで初めて真実を知りました。

 このとき、私は、昆虫類、貝類、食物連鎖等、自然界や動物界に関する多くのことを併せて学んだような気がします。

 今思えば、私の親も、学校の先生も、カワニナがホタルにはならないことを知らなかったはずがありません。
 きっと、私が自分自身で真実を知って納得するまで、暖かい目で見守っていてくれたのだと思います。
 おかげで、私は、教わる前に、多くのことを自ら学ぶことが出来ました。

 「教える」よりも「学ばせる」…
 そんな意識を教育者や社会がもっとしっかり持っていれば、せっかく国が導入した「ゆとり教育」をよってたかって批判し、「脱ゆとり教育」を声高に叫ぶようなことにならずに済んだのかもしれません。


季語の用い方・俳句の作り方のポイント
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 蜷(にな)が水底を這って泥につけた跡を、蜷の道と呼びます。
 蜷を季語として用いた俳句には、この蜷の道を詠んだ句が多いようです。

  雄ゆゑのぶれとためらひ蜷の道 (凡茶)

 また、蜷を水槽に入れると、腹の肉を壁にペッタリとくっつけてこちらに見せます。
 何匹もの蜷が大小さまざまな腹をこちらに向けている様子には癒されます。

  水槽に貼りつく蜷やショパン弾く (凡茶)

 上の二句を見てもらうとわかると思いますが、やはり蜷を季語に俳句を詠むときは、季語の持つユーモラスな感じを活かすとよいと思います。
 ただ、そのユーモラスな感じの背後に、蜷という小動物の持つ一抹の哀しさをひそませたいとも思います。


≪本の特集・俳句を通して自然と向き合う≫




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posted by 凡茶 at 19:12 | Comment(0) | 春の季語(動物) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする


春の蠅 (春の季語:動物)

    はるのはえ

16春の季語・動物・春の蠅.jpg
        パソコン書道


季語の意味・季語の解説
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 蠅は夏の季語であるが、春に見かける蠅を特に「春の蠅」と呼ぶ。
 夏の蠅と違ってブンブンと勢いよく飛びまわることはない。
 弱弱しく飛んではすぐに休んでしまう。


季語随想
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 私は子供の頃、ひどく蠅を怖がった。
 書物を読んで、蠅はよからぬ病原菌の媒介者になるということを知ってからだ。
 少しでも蠅の止まった可能性のある物に触れると、石鹸で手をゴシゴシ洗わないではいられない。
 潔癖症というやつだ。

 今でこそ、病的な恐怖心は無くなったが、やはり蠅がいると落ち着かない。
 一刻も早く、退治するか、追い出したくなる。
 だから、私には、夏の季語「蠅」を詠んだ句は一つもない。

 しかし、そんな嫌われ者の蠅でさえも創作のための題材にしてしまうのが俳句という文芸の懐の深さ。
 卑しいとされるものでも、どんなものでも、積極的に詠んでいくのが、俳人のたくましさである。

  うき人の旅にも習へ木曾の蠅 (松尾芭蕉)
      うき=憂き。

  やれ打つな蠅が手を摺足をする (小林一茶)
      摺=する。
 
 いつか私も、夏の蠅を力強く詠んで、俳人として一皮剥けたいと思っている。
 とりあえずは、その弱弱しく飛ぶ様に、ささやかな憐憫の情を抱くことができる「春の蠅」から、俳句に詠んでいこうと思う。
 
  掛け軸の賢者の腹に春の蠅 (凡茶)


季語の用い方・俳句の作り方のポイント
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 春の蠅と言う季語には、夏の蠅に感じる、苛立たせるような鬱陶(うっとう)しさを感じません。
 鬱陶しいは鬱陶しいのですが、その弱弱しい飛翔に、憐憫の情も覚えます。

 この憐憫の情を、ささやかな親しみと、愛情のこもった侮蔑に変えて、俳句を詠んでみましょう。
 すると、この弱い蠅を生かしている、春の暖かさと光が、句から伝わってくるようになります。 

  世界地図フロリダ沖に春の蠅 (凡茶)



≪おすすめ商品≫

正風俳句かるた
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■ 「かるた」が開く俳句の扉!

 実は、「俳句かるた」が私(凡茶)と俳句の出会いでした。

 幼い頃、一茶の俳句を集めたかるたを親に買ってもらい、絵札のユーモラスなイラストが気に入って、繰り返し遊んだことを覚えています。
 そして、自然と一茶の俳句が好きになっていきました。

 その記憶があったから、大学で俳句会勧誘の貼りビラを見たとき、迷わず、入会を決めることが出来たのだと思います。

 ここで紹介している「正風俳句かるた」は、私が子どもの頃買ってもらったかるたではありませんが、季節感あふれる美しい絵札はきっと子どもたちの関心を引き付けることでしょう。

 また、実際に読みきかす俳句を含め、同じ文字で始まる四季の俳句を並べた字札は、きっと子どもたちの前に、俳句の扉を自然と開いてくれることでしょう。

 あるいは、童心に帰って、俳句仲間とかるたを楽しんでみるのもいいかもしれません。いい運動にもなりますしね。



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posted by 凡茶 at 03:43 | Comment(0) | 春の季語(動物) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする


蝶 (春の季語:動物)

     蝶々(ちょうちょう,ちょうちょ) てふ てふてふ
     胡蝶(こちょう) 初蝶 


16春の季語・動物ー蝶.jpg
        パソコン絵画


季語の意味・季語の解説
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 蝶は春の季語とされる。
 日当たりのよい野原や畑などを、ひらひらと舞う姿はいかにも春らしい。

 花を見つけると止まって蜜を吸うが、人が近づくと、すぐにふわっと逃げてしまう。
 また、子供などに捕えられて翅(はね)を持たれると、すぐに弱ってしまう。
 ゆったりと生きているようで、どことなく「あはれ」を感じさせる虫である。

 なお、胡蝶(こちょう)は蝶の異称で、初蝶はその年の春、初めて見る蝶。

 また、揚羽蝶(アゲハチョウ)や黒揚羽のような大きくて鮮やかな翅を持つ蝶は、夏の季語とされる。 
 

季語随想
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 もしも、蝶の羽ばたきが、ブーン、ブーンとけたたましい音を伴うようになったら、さぞかし人目を引くだろう。
 しかし、今ほど好意を持たれることはないだろう。

 蝶が皆に愛されるのは、その舞いが、春の長閑な雰囲気を損ねることのない、静かなものだからだろう。

 近頃、多くの人に反感を買ってでも、とにかく目立つことをなりふり構わずやって、注目を集めようとする人たちが、政治や商売の世界に目立ち始めた。
 ブーン、ブーンと羽音を立てる人たちだ。
 それはそれで別に悪いことだとは思わない。
 その人たちには、その人たちの生き方がある。

 ただ、あたりの和やかさを乱すことなく、静かに、美しく、なすべきことに取り組んでいる、そんな蝶のような人たちが、政治や商売の世界で、全く日の目を見なくなったら…
 なんだか、すさんだ世の中になっていくのかもしれない。

 蝶の似合う春の無い、猛暑と厳寒の繰り返すような世の中に…


季語の用い方・俳句の作り方のポイント
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 蝶という季語は、春の日の光、若い草や花、田や畑のある長閑な風景を背後に感じさせます。
 そうした、春の暖かさ、伸びやかさを、さらに増幅させるような俳句を作ってみましょう。
 初めの二句は江戸時代の句、あとの二句は私の俳句です。

  青空やはるばる蝶のふたつづれ (立花北枝)

  風の蝶消えては麦にあらはるる (松岡青蘿)
      ※この句は「あはれ」も強く感じさせます。

  みちのくの蝶迷ひ込む一号車 (凡茶)

  蝶に顔くすぐられ結ふ靴の紐 (凡茶)

 また、優しく舞い、触れると壊れてしまいそうな脆さのある蝶と、別の異質なものを取り合わせたような俳句にも、面白い味のものがたくさんあります。

  釣鐘にとまりて眠る胡蝶かな (与謝蕪村)

  地車に起き行く草の胡蝶かな (黒柳召波)
      ※地車=ぢぐるま



≪おすすめ・俳句の本≫

俳句の入口 〜作句の基本と楽しみ方 藤田湘子著
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■ 俳句はリズムである… 大切なことを教えてくれた一冊です。


 左の本に出会うまでは、伝えたいこと、表現したいことを無理やり五七五の定型に詰め込むような俳句作りをしていました。

 つまり以前の私にとって、定型は約束事だから仕方なしに守る制約にすぎなかったのです。

 しかし、この本を読んで、俳句は韻文であり、大切なのはリズムであることを知ると、定型、切れ字等の大切さが少しずつわかるようになっていきました。

 「意味」から「音」へ!
 私の俳句に対する意識を大きく変えてくれた一冊です。



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posted by 凡茶 at 21:13 | Comment(0) | 春の季語(動物) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする