夏の季語<時候> 〜目次ページ〜


21夏の季語・時候・夏(ウェブ).jpg
        古いフィルム写真をスキャナーにて取り込み

地上も、水中も、空中も、地下も様々な生き物であふれ、人の活動も活発になる夏は、四季の中でも特に季語が多い。多くの歳時記で、夏に最も多くのページを割いている。夏は、俳句を作って、作って、作りまくるために季節だ。


掲載季語(50音順)

<さ行の季語>
初夏

<ま行の季語>
麦の秋



≪本の特集・初心者向け入門書≫




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posted by 凡茶 at 18:07 | Comment(0) | 夏の季語(時候) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする


初夏 (夏の季語:時候)

     初夏(しょか)  初夏(はつなつ) 
     夏の始め  夏始め(なつはじめ)

初夏
21夏の季語・時候・初夏.jpg
        デジカメ写真


季語の意味・季語の解説
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 立夏(5月6日頃)から芒種(6月6日頃)の前日までを初夏と言う。

 初夏は日の光が最も強くなる季節であり、草や木はその光をたっぷりと吸収して、すくすくと成長する。
 ゆえに初夏は、野山も街中も、いきいきとした緑、瑞々しい緑でいっぱいになる。
 そうした緑の中を渡ってくる風は、実にかぐわしく、そして清々しい。


季語随想
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 出無精な私でも、初夏ともなるとさすがに太陽の光が恋しくなり、家の外へ出てみたくなります。
 木々や草花が恋しくなり、家の外に出てみたくなります。

 そんな時私は、緑いっぱいの湖畔のジョギングロードを、えっちらおっちら歩きます。
 ジョギングロードですが、私は、決して走りません。
 マイペースで、ひたすら歩きます。

 初夏の湖畔のジョギングロードには、私のようなウォーキング派が他にもいっぱいいて、背伸びをしたり、写真を撮ったりしながら、思い思いに歩いています。

 歩くのもなかなかいいものですよ。
 ゆっくり歩いていると、走っている人よりも長い時間、木々の若葉の香りを楽しむことができますからね。
 かわいらしい花を見つけたり、めずらしい鳥の声をゆっくり聞けたりもします。
 
 ただ、軽快に走っている人を見ると、やっぱり憧れますし、少し嫉妬もしますね。
 自分も風を切りながら、かっこよく走ってみたいなあって思います。
 学生時代の元気いっぱいの体が無性に懐かしくなったりして…。

 いろいろな感情が胸に湧いてきます。
 いろいろな感情が胸に湧いてきますが、湖の方からときおり吹く心地よい風を浴びるたびに、私はふと気付きます。
 私は走ることよりも、歩くことの方が好きだから歩いているのだと。

 えっちらおっちら歩く私を、いろんなランナーが抜き去っていきます。
 私より年上のランナーもたくさんおられます。
 小さな子供もいます。
 見た目は華奢な若い娘さんたちも、汗をキラキラさせながら、次々と走り去っていきます。

  スパッツにブルマに抜かれ風の初夏 (凡茶)


季語の用い方・俳句の作り方のポイント
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 初夏は光と緑の季節です。
 野山も、街も、光と緑で満ちています。

 ですから、人々の心も、当然明るく、すがすがしくなります。

 明るく、すがすがしい心で暮らしていると、ちょっと嬉しい発見や、ちょっと楽しい体験を、いっぱいするようになります。
 そんな瞬間を、積極的に俳句に詠んでいきましょう。

  オーブンの熱残る菓子初夏の風 (凡茶)

 また、初夏と言う季語を用いると、いささかねっとりとした内容を詠んでも、さわやかに鑑賞できる俳句に仕上がります。

  助手席に香りの残る初夏の朝 (凡茶)



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麦の秋 (夏の季語:時候)

     麦秋(ばくしゅう) 麦秋(むぎあき)

麦の秋
21夏の季語・時候・麦の秋(ウェブ).jpg
        デジカメ写真


季語の意味・季語の解説
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 小麦・大麦などの麦類は初夏を中心とする季節(5月〜7月)に収穫期を迎え、畑いっぱいに穂が実る。
 そのため、この時期を麦の秋と呼ぶようになった。

 小麦や大麦の原産地である地中海東岸は夏に著しく乾燥するため、夏に作物が育ちにくい。
 ゆえに、麦の仲間は、米のように夏に育つのではなく、秋に種をまかれたあと、冬の間に育って、初夏に実を結ぶのである。

 辺りの草木がみずみずしい緑色となっている初夏に、麦畑だけが黄金色になっているのを見ると、なにか神々しさのようなものを感じる。 


季語随想
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 私は学生時代と教員時代の一時期を仙台で過ごした。
 そのため、自分のもとを訪れてくれた家族、友人、知人を、何度も仙台名物の牛たんを食わす店に連れて行ったことがある。

 そこで、牛たん焼きにはつき物の麦飯が出されると、意外なものが出てきたと、たいていの人が驚いたものだ。
 しかし、その驚き方には二種類あった。

 一つは若い人の驚き方。
 彼らは「麦って粉にせず、こんな風に炊いて食べたりもするんだ」とか、「麦飯かあ。ずいぶんヘルシーなものを出すね」というような反応を示した。

 もう一つは年配の人の驚き方。
 彼らは、「この時代に麦飯と再会するとはなあ」とか、「昔、米が食えない頃は、毎日毎日麦飯を食っていたなあ」というような言葉を口にした。

 そう、現代日本で麦と言えば、粉にしてパン、ケーキ、クッキー、パスタ、ラーメンなどに加工する、飽食の時代を象徴する食材なのだが、一昔前までは、米の不足を補うために、米と異なる時期に収穫される、生きるための糧だったのだ。

 麦が生き死ににかかわる貴重な食い物だった江戸時代、麦の秋という季語を使った俳句には、生死、飢え、貧しさなどを意識して詠んだものが多かったようだ。

 芭蕉に俳諧を学んだ僧侶である浪化上人、与謝蕪村、蕪村と親しかった三宅嘯山(しょうざん)、小林一茶の俳句を紹介する。

  疱瘡する児も見えけり麦の秋 (浪化)
      疱瘡=いもい;天然痘のこと。 児=ちご
     
  病人の駕も過ぎけり麦の秋 (蕪村)
      駕=かご

  麦秋や一揆起こした村ぞこれ (嘯山)

  麦秋や子を負ひながらいわし売り (一茶)


季語の用い方・俳句の作り方のポイント
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 上の季語随想でも述べたとおり、麦の秋という季語を使った江戸時代の俳句には、生死、飢え、貧しさなどを意識したものが多く見られました。

 当時の麦は、米の不足を補う貴重な糧(かて)であったためです。

 しかし、現代に生きる私は、若葉が光り、風が薫る初夏に金色の麦畑を見ると、美しさや豊かさを最初に意識しないではいられません。

 ですから私は、麦の秋という季語を用いるときは、麦畑の美しさや豊かさを土台にした、明るく大らかな俳句を詠むことにしています。

  麦秋やジョッキのミルク試飲せる (凡茶)

  遠くともわかるはにかみ麦の秋 (凡茶)



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 この歳時記は、季語の詳しい解説や古今の名句に加え、写真や絵も豊富に掲載されていて、俳句の勉強になるのはもちろんのこと、鑑賞していて飽きない芸術性の高い一冊でもあります。

 私は、愛蔵版が出る前の全5巻を持っているのですが、この歳時記のおかげで俳人としてスキルアップし、かつ、日本の風土と文化の素晴らしさを再確認することができました。
 この歳時記は、私の俳句生活におけるかけがえのないパートナーであり、大切な財産でもあります。



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posted by 凡茶 at 05:37 | Comment(3) | 夏の季語(時候) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする