夏の季語<天文> 〜目次ページ〜

夏の空
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        デジカメ写真

夏の空の青色ほど、人間をちっぽけなものに思わせるものはない。圧倒的な青色という表現がふさわしかろう。いずれこの季語にも果敢に挑んでみたい。



掲載季語(50音順)

<あ行の季語>
青嵐
青梅雨
朝凪(あさなぎ)

<か行の季語>

雲の峰
薫風

<さ行の季語>
白南風(しろはえ)

<た行の季語>
梅雨

<な行の季語>
夏の月

<や行の季語>
夕焼け


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posted by 凡茶 at 18:06 | Comment(0) | 夏の季語(天文) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする


雷 (夏の季語:天文)

     雷(かみなり) 雷(らい) いかづち(いかずち) はたた神
     神鳴(かみなり) 鳴神(なるかみ) 日雷(ひがみなり)
     雷鳴 雷光 落雷 迅雷(じんらい) 遠雷 軽雷  

22夏の季語・天文・雷.jpg
        パソコン絵画


季語の意味・季語の解説
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 夏は空気がよく温まるので、上昇気流が発生しやすい。
 そのため、地上付近の水蒸気が上空に持ち上げられて冷やされ、氷の粒をたっぷり含んだ積乱雲(入道雲)となる。

 積乱雲の中の氷の粒は、互いにこすれ合ったり、ぶつかったりして、静電気を大量に発生させる。
 その静電気が、別の雲にたまった静電気、あるいは、大地にたまった静電気などと結びつく際に発生する光と音がである。

 このうち、雲の中の静電気と大地の静電気が結びつくタイプの雷は落雷と呼ばれ、家を焼いたり、人の命を奪うこともある。
 ゆえに、雷は、「地震・雷・火事・親父」とあるように、怖いものの象徴とされてきた。

 その一方で、雷は、虎縞の模様のふんどし履いて、背中の太鼓をゴロゴロ鳴らしながら人々のへそを奪っていく、どこかユーモラスな神としても描かれてきた。

 江戸時代の俳諧において雷は、神鳴(かみなり)、あるいは鳴神(なるかみ)の形で用いられることが多かったようである。

 これに対し、現代俳句では、雷を音読みで「らい」と読ませる句が極めて多くなっている。
 雷鳴の激しさと雷光の鋭さを表現するのに、音読みが適しているということもあるだろう。

近い場所でなる激しい雷を迅雷、遠くで鳴る雷を遠雷、ドシャーンとは鳴らず、ゴロゴロと鳴る程度の雷を軽雷と表現したりする。

 また、現代俳句においてもはたた神と言う雷の異称はよく用いられる。
 小さな雷と言うより、激しい雷という印象である。

 なお、日雷(ひがみなり)は晴天時の雷である。

 雷とよく似た発光現象の稲妻は秋の季語に分類される。


季語随想
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 小学生の頃のことです。
 友達と外で遊んでいると、雷様が激しく太鼓を打ち鳴らし始めました。

 幼い時分は、「雷が鳴ったらへそを隠せ。さもないと、雷にへそを取られるぞ!」
 そんな風に教わっていましたから、へそを取られては困ると、近所の高校の敷地に必死の思いで逃げ込みました。

 私たちは、陶器か何かを焼く小屋に身を隠し、へそを押さえてじっと息を潜めました。
 そうしてしばらくいるうちに、全速力で走り疲れたためか、すかっり眠りこんでしまいました。
 
 随分時間が経ってから、小屋に入ってきた高校生のお兄さんに起こされ、慌てて退散したことを今でも鮮明に覚えています。

 この、子どもたちを恐れさせた「雷が鳴ったらへそを隠せ」の教えの由来には諸説あるようです。

 例えば、暑さで薄着になっている子どもにしっかりと服を着させ、お腹を冷やさないようにさせるために親が言ったという説。
 雷雲、すなわち前線に発達した積乱雲が夕立ちを降らせると、急に気温が低下しますからね。

 あるいは、外で雷に遭遇したらへそを隠すように腹ばいになり、少しでも低い体勢になった方が良いということを教えるためという説。
 雷は発生源に近い場所、すなわち高いところに落ちやすいですからね。

 いずれも、科学をかじった大人に「なるほど!」と思わせる合理的な説だと思います。

 私は科学が得意な方で、実際に大学も理学部に進学しました。
 そんな私がこれまでを振り返ってみて思うことは、頭の中に科学的知識が構築される過程とは、子どもの頃の「ふしぎ」の世界が、徐々に「なるほど!」の世界に塗り変わっていく過程であったということです。

 つまり、今私の頭の中にある、科学的諸法則によって解釈されている世界は、もともとは、虎縞のふんどしを巻いた雷が子どもたちからへそを奪っていくような、幻想的で、時に優しく、時に恐ろしい空想の世界だったということです。
 頭の中の科学的知識の体系とは、子どもの頃の空想世界が、少しずつ変化し、合理的で理性的なものへと成長した結果に他ならないのです。

 幼い頃の私は、眠りに就く前の布団の中で、親に童話やおとぎ話をたっぷり読み聞かされて育ちました。
 ですから、学校で科学と出会うまでに、「ふしぎ」の世界をたくさん持ち合わせていました。

 「ふしぎ」をいっぱい持っていたから、いっぱい「なるほど!」と思えることができ、いっぱい科学的知識を自分のものとすることができました。

 もし、「ふしぎ」の世界を持つ前に、さあ、「がんばって覚えなさい」と科学の世界をいきなり押しつけられても、「なるほど!」という体験はあまり出来なかったと思います。
 私が科学を好きになり、得意にすることが出来たのは、幼児期に空想の世界をたくさん体験しておくことが出来たからだと思っています。

 若いお父さん、お母さんは、科学教材を与える前に、ぜひ、童話、おとぎ話、昔話、民話などを小さな子どもにたっぷりと聞かせてやって下さい。


季語の用い方・俳句の作り方のポイント
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 遠くとも、雷が鳴りだすとやはり人は心細くなります。
 そんな不安感を俳句に詠んでみました。

  抜き去りしトラックに豚梅雨の雷 (凡茶)

  遠雷や病床の父髭を剃る (凡茶)

 近い雷ともなれば、恐ろしくて子どもや女性なら叫び声をあげてしまうこともありますが、周囲が青い光に照らされた一瞬は、凍るような美しさも感じます。

  雷光や湯船の外へ美少年 (凡茶)

 雷が去った直後の少し肌寒い空気の中で辺りを見渡すと、何やら不気味な静けさがそこにとどまっています。

  雷去りてもののゐさうな草の丈 (凡茶)
      ゐさうな=居そうな。

 ただ、雷が止んでしばらく時間が経ち、空が明るくなってくると、どこか吹っ切れたような清々しさを感じます。

  遠船や昨夜は雷雨を浴びし丘 (凡茶)
      遠船=とおふね。  昨夜=よべ。



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 …等、初心者がはじめに手元に置くには、最適の特徴を備えた歳時記です。

 「私が初学の頃にも、こんな歳時記があったらよかったのに…」と思える一冊です。



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 当時の私が買ったのは第二版でしたが、左の『合本俳句歳時記・第四版』は、季語の解説や掲載されている類語がさらに充実し、初心者にも上級者にもお薦めです。
 これから俳句に誘ってみようと思っているお友達へのプレゼントにも最適です。



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 私は、愛蔵版が出る前の全5巻を持っているのですが、この歳時記のおかげで俳人としてスキルアップし、かつ、日本の風土と文化の素晴らしさを再確認することができました。
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posted by 凡茶 at 17:51 | Comment(0) | 夏の季語(天文) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする


薫風 (夏の季語:天文)

     薫風(くんぷう)  風薫る(かぜかおる)

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        デジカメ写真


季語の意味・季語の解説
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 緑の香りをたっぷりと含んだ、すがすがしい夏の風。
 青葉や草花を揺すりながら吹く、涼しい風を思い浮かべるとよい。

 薫風の中に身を置き、深呼吸をすると、生きていることが本当にうれしくなる。


季語随想
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 たまたまテレビを観ていると、ある政治家が次のような発言をしていました。

 「私は最悪の学校教育を受けてきた」

 彼は、きっと学校生活の中でいろいろな思いをしてきたのでしょう。
 あるいは、大人の目線で当時を振り返り、いろいろなことを感じているのでしょう。

 ただ、その発言をテレビで聞いた彼の元教師の中には、きっと心を痛められた先生もいたに違いありません。

 教師も人間です。
 あれこれ考えたり、悩んだりしながら生徒たちと向き合ってきた彼の先生の中には、少なからず傷ついた方もいたことでしょう。

 私の教え子もみな立派な社会人となっていますが、中には、私の与えようとしてきた教育に対し、同じような失望感を抱いている者もいるかもしれません。

 そんなことを考え始めたら、なんだか胸が重くなってしまいました。

 私は、気持ちを晴らそうと、表へ出ました。
 様々な木々の植えられた図書館の周りの散策路を歩いていると、緑を揺らす風がふと薫りました。

 その途端、胸の中を占めていた鉛がすっと消え失せ、体が軽くなるのがわかりました。

 今が風の美味しい季節で、本当に良かったと思いました。

 大人の声と子どもの声の混じった活気のようなものが、遠くから初夏の風によって運ばれてきます。

  球場の遠きどよめき風薫る (凡茶) 


季語の用い方・俳句の作り方のポイント
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 「薫風」「風薫る」という季語を目にすると、まず俳句読者は、「すがすがしい香り」を実際に嗅いだ気分になります。

 そして、その次に、瑞々しい「緑」の風景を思い浮かべます。

 ですから、私は、その「緑」の印象を損ねてしまうような派手な色を持つものを、「薫風」「風薫る」という季語とは取り合わせないようにしています。

 古い俳句にも、緑の印象を活かしても損ねないような取り合わせが多く見られます。
 
  薫風や恨みなき身の夏ごろも (与謝蕪村)

  山寺や浮世の外の風薫る (三宅嘯山)

  風薫れ唐とやまとの墨の色 (加舎白雄)

  屏風岩離るる舟や風薫る (子猷)

  薫風に干さるる小さき柔道着 (凡茶)
      小さき=ちさき。

  おかつぱの母ゐる校史風薫る (凡茶)

  薫風や窯のぬくもり残るパン (凡茶)



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posted by 凡茶 at 21:57 | Comment(0) | 夏の季語(天文) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする


夏の月 (夏の季語:天文)

     月涼し  夏の霜

22夏の季語・天文=夏の月.jpg
        パソコン絵画


季語の意味・季語の解説
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 昼の暑さの厳しい夏は、夜の涼しさが恋しい。

 「夏の月」は、そんな夏の夜の涼しさを象徴するものとして俳句に詠まれる。
 ゆえに、「夏の月」という季語には、「月涼し」という副題がある。

 また、月の光が地上を白く照らしている様子が、夏は特に涼しげに感じられるため、これを「夏の霜」と呼ぶ。

 しかし、夏は夜が明けやすく、月の明るく照っていられる時間は短い。
 ゆえに「夏の月」には、「儚さ(はかなさ)」を感じる。

  
季語随想
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 「美しい生き方」にこだわるな。
 「楽な生き方」をしてみよう。

 ビール片手に夏の月を仰ぎながら…

 縁側でそんなことを考えている。


季語の用い方・俳句の作り方のポイント
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 日中の暑さとは打って替わった夏の夜の涼しさ。
 次の俳句では、「夏の月」が「涼しさ」の象徴として詠まれています。
 参考にしましょう。

  市中はものの匂ひや夏の月 (野沢凡兆)
      市中=いちなか。 匂ひ=におい。

  河童の恋する宿や夏の月 (与謝蕪村)
      河童=かわたろ。カッパのこと。

  町中を走る流れよ夏の月 (加舎白雄)

  降るにあらず消ゆるにあらず夏の霜 (高桑闌更)

 最後の句は、副題の「夏の霜」の例句です。
 最近は、作句例が少ないようなので、「夏の霜」の句にもチャレンジしてみたいものです。

 私は「月涼し」という夏の月の副題が好きで、むしろそっちを好んで用います。

  月涼し笹舟町にさしかかる (凡茶)

  月涼しこりりと響く香の物 (凡茶)
      香の物=こうのもの。味噌漬けなどの野菜の漬物。

  月涼し湾流とらへいるか去る (凡茶)

 さて、次は、夏の月の「儚さ(はかなさ)」を詠んだ俳句の例です。
 夏の夜は明けやすく、月も早々に褪せてしまうため、儚さを感じるのです。

  蛸壺や儚き夢を夏の月 (松尾芭蕉)
      蛸壺=たこつぼ。海底に仕掛けておくとタコが入りこむ。やがて引き上げられて出荷されるタコに、芭蕉は「あはれ」を感じている。

  夏の月ごゆより出て赤坂や (松尾芭蕉)
      ごゆ=御油。御油と赤坂はともに東海道の三河の宿。二つの宿場はとても近いため、短夜の儚さを連想させる(「ふみ」さんのコメントを参考とさせていただきました)。

   遠浅に兵舟や夏の月 (与謝蕪村)
      兵=つわもの。

  サリーにて拭ふ涙や夏の月 (凡茶)



≪おすすめ・俳句の本≫

すらすら読める 奥の細道  立松和平著
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■ 今まで読んだ『奥の細道』の現代語訳の中で最高でした!

 大きな字で書かれた原文のすぐ下に現代語訳があり、とても読みやすい本です。

 芭蕉の訪問地ごとに添えられた解説も、著者による興味深い見解が随所に述べられていて勉強になります。

 私はこの本を読んだ後、学生時代と教師時代を過ごした東北地方へ、改めて一人旅に出かけたくなりました。

 これから『奥の細道』を読んでみようと思っている方に、最もお薦めしたい一冊です。



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posted by 凡茶 at 18:11 | Comment(2) | 夏の季語(天文) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする


夕焼け (夏の季語:天文)

     夕焼  ゆふやけ ゆやけ
     夕焼雲(ゆうやけぐも・ゆやけぐも)

夕焼け
22夏の季語・天文・夕焼け.jpg
        デジカメ写真


季語の意味・季語の解説
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 夕焼けは四季を通じて見られますが、俳句歳時記では夏の季語とされています。
 
 夕焼けは晴れた空に見られる現象ですから、長い梅雨が明けて、晴天の多くなった晩夏に、とくに美しく感じられるからかもしれません。

■ 夕焼けが見られる理由 ■

 昼間の太陽の光は、地表を射るようにタテに進んで来ますが、夕方になると、地表を這うように、斜めに進みます。
 ですから、夕方の光は、昼間の光より、地表を覆う大気の中を、長距離移動します。

 すると、波長の短い青系統の光は、大気中の粒子に弾き返されたり、吸収されたりしてしまい、波長の長い赤系統の光が残されて、目に届くようになります。
 だから、夕方の空は、夕焼けの赤に彩られるのです。

■ 夕焼けの翌日がよく晴れる訳 ■

 日本の上空は、西から東へ向かう偏西風(へんせいふう)という風が卓越しています。
 つまり、大気は西から東へと流れています。
 「天気は西から東へやってくる」と、よく言いますよね。

 夕焼けは、良く晴れた西の空に発生します。
 つまり、夕焼けの鮮やかな日は、西方が良い天気だということになります。
 ですから、夕焼けの翌日には、その良い天気が、偏西風によって、西の方から運ばれてくるのです。
 

季語随想
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 泥んこになり、夢中で遊んでいると、やがて西の空が夕焼けで真っ赤になってくる。
 すると、誰かの母ちゃんが割烹着を着たまま原っぱにやってきて、「夕飯だから帰っておいで」と声をかける。
 その時が、子供たちが家路へと散り散りになる時だ。

 ある者は一番星の方へ、ある者は豆腐屋のラッパの鳴る方へ帰っていく。

 途中、どこかの家の換気扇からカレーの匂いが漏れていたりすると、途端に腹がグーグーと鳴りだす。
 そんな日に、わが家でもカレーだったりすると、嬉しくて仕方がない。

 …今でも私は、夕焼けを見ると無性にあの頃のカレーが食べたくなる。
 煮干しのダシと、ニンニクの利いた、わが家独特の、あのカレーが食べたくなる。 


季語の用い方・俳句の作り方のポイント
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 夕焼けという季語は、俳句に「ちょっとした淋しさ」という味付けをしてくれます。
 「秋深し」とか「枯野」のような、「深い淋しさ」ではありません。

 隠し味程度の「ちょっとした淋しさ」です。

 夕焼けを俳句に詠むときは、それを意識するようにしています。

  夕焼や机に同じ本二冊 (凡茶)



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posted by 凡茶 at 13:29 | Comment(2) | 夏の季語(天文) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする