冬の季語<生活> 〜目次ページ〜

懸け大根
44冬の季語・生活・懸け大根(ウェブ).jpg
        デジカメ写真

沢庵を漬ける前、日持ちと食感を良くするために、数日間、大根を干してしんなりさせる。こうして干された大根を懸け大根という。冬の季語。


掲載季語(50音順)

<あ行の季語>
襟巻・マフラー
おでん

<か行の季語>
乾鮭(からざけ)
炬燵(こたつ)

<ま行の季語>
水洟(みずばな)

<や行の季語>
雪だるま



≪おすすめ・俳句の本≫

カラー版 初めての俳句の作り方
―写真を見ながらすぐ句作ができる
 石 寒太著
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■ 写真を見ながら俳句を勉強できる画期的な入門書です!


 俳句のきまりごとや技術的なこともしっかり学べる入門書ですが、この本の最大の長所は、写真が豊富であるという点です。

 俳句は、実際に風景や花などを見ながら勉強すると上達が早いのですが、この本があれば、家に居ながらにして、季節の景物を視覚で楽しみながら、俳句をひねることができます。

 今、大人気の一冊です。



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posted by 凡茶 at 12:04 | Comment(0) | 冬の季語(生活) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする


水洟(みずばな) (冬の季語:生活)

     水つ洟(みずっぱな) はなみず(洟水・鼻水)

44冬の季語・生活・水洟【イラスト】.jpg
        パソコン絵画


● 季語の意味・季語の解説

 冬は冷たく乾燥した大気から鼻・呼吸器系を守るために鼻水の分泌量が増える。
 ゆえに、水洟(みずばな)が垂れやすくなる。

 子どもの水洟は愛らしい。
 だから次のような俳句が生まれる。

  帰る母子の水洟を跼み拭く (柴田白葉女)
      跼み=「かがみ」と読む。

 一方、大人の水洟は滑稽である。
 その滑稽なものを、季語として積極的に詠んできた俳句という文芸には、今さらながら良い意味での野太さを感じる。

 なお、昔はタンパク質が欠乏していたため、いわゆる「青っ洟」(あおっぱな)を垂らしている者も多かったが、最近は減ってきた。

  水洟の水色膝に落つ故郷 (永田耕衣)


● 季語ばなし

 星々を結びあわせ、夜空いっぱいに星座を描いた昔の人たちの創造力は、やっぱりすごい…

 そんなことを思いながら、私は冬の星空を眺めていた。
 すると、脇の方でズズズと洟(はな)をすする音がする。

 見ると、少年時代の私が、青っ洟を垂らしながら、じっと夜空を見つめていた。
 もう何十年も昔のいがぐり頭の私が、星々が賑やかに瞬く南の空を見上げ、なにか夢中になって考えている。

 「坊や、寒いのに、空など眺めて、いったい何をしているんだい?」
 私は彼に尋ねてみた。

 すると、少年時代の私はこう答えた。
 「今、星たちを結びなおして、新しい星座を作っているんだ。」

 青っ洟の私は、シリウス、リゲル、カペラと言った明るい星を、もとの星座からほどいて自由にし、好きなように結びなおしては、新しい星座を生み出していた。

 なんだか彼のことが、すごく羨ましく思えた。

 「楽しそうだね、坊や。」

 「うん! おじさんもやってみなよ。」

  自己流の星座を結ぶ水つ洟 (凡茶)


● 古今の俳句に学ぶ季語の活かし方

 水洟(みずばな)という季語は、実際に厳寒の中に身を置いているかような臨場感を、俳句の読者に与えます。
 凍てつく寒さの中で人々の見せる様子が、生き生きと伝わってきます。 

  夜神楽や水洟拭ふ舞の袖 (高井几董)

  朝戸出や水洟はらふ片手網 (黄婦)
      朝戸出=あさとで。朝の外出のこと。

 また、「息白し」「悴む」など、寒さへの人体の反応を表わす他の季語と比べても、水洟は特に滑稽な味わいが強いので、読者をくすりと笑わせるような俳句を作ってみたくなります。

  水洟を貧乏神に見られけり (松本たかし)

  念力もぬけて水洟たらしけり (阿波野青畝)

  鼻長きキリスト吾は水洟かむ (山口誓子)

  自己流の星座を結ぶ水つ洟 (凡茶)

 ただ、この水洟という季語の面白い所は、コミカルな俳句を作るのに適していながら、どこか寂しさのある俳句も生まれやすい点にあると思います。

  水洟や鼻の先だけ暮れ残る (芥川龍之介)

  水洟や見舞うて帰る夕まぐれ (大野林火)

  水洟や我孫子の駅にたそがれて (石田波郷)

  水洟や波濤のほかは見るものなし (杉山岳陽)


≪おすすめ・俳句の本≫

俳句がうまくなる100の発想法 ひらのこぼ著
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■ 似たような俳句ばかり作るようになってきたと感じたら、読むべき本です。


 この本の目次に並ぶタイトルから、ほんの一部を引っ張り出して並べてみます。

 「裏返してみる」「動物の顔を詠む」「ドラマを仕立てる」「天気予報をする」「強引に断定する」「名づけてしまう」…

 どうですか?
 目次の一部を眺めただけで、ハッと気付かされたような気になりませんでしたか?

 長い間俳句をやっているいと、「若い頃にも似たような俳句を作ったなあ…」と頻繁に感じるようになります。

 私もずっとそのような状態から抜け出せないでいましたが、この本と出合うことで、それまでの自分とは違った視点で、新鮮な俳句が詠めるようになってきたと感じています。

 俳句作者として10年ほど若返ることができたような、そんな気持ちになっています。

追記:
 著者のひらのこぼ氏は、他にも興味深い本をいくつか書いておられるので、以下に紹介しておきます。

俳句がどんどん湧いてくる100の発想法

俳句発想法 100の季語

俳句名人になりきり100の発想法




≪おすすめの本≫

にんげんだもの 相田みつを
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■ 厳選された言葉の力に触れ、たちまち目頭が熱くなりました。


 20年以上前になると思いますが、書店でなにげなくこの本を手に取り、最初の数ページを読んでみた時の感動を今も忘れていません。
 たちまち心が震え、目頭が熱くなり、その場で感涙をこぼしそうになったので、あわててレジに向かったことを覚えています。

 この本は俳句の本ではなく、書の本ですが、掲載されている数々の作品は無駄のない厳選された言葉で読み手の心を打つ短詩であり、俳句を創る上で大いに参考になります。
 まだ、読んだことのない俳句作者には、ぜひとも読んでいただきたいと思います。

 近頃のインターネットには憎悪や侮蔑の感情から生み出された言葉が氾濫しており、それが若者たちの心にどのような影響を与えているのか、今後が心配でなりません。
 私は、憎しみや蔑みの言葉ばかりに触れ心の荒んでしまった若者たちに、命のこもった本物の言葉に接してもらいたいという思いからも、相田みつをさんの本を紹介することにしました。

 以下に、『にんげんだもの』以外の本、および、『にんげんだもの』も含んだ相田みつをさんの作品集も紹介しておきます。


一生感動 一生青春

雨の日には…

しあわせはいつも

じぶんの花を

相田みつを作品集







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posted by 凡茶 at 19:17 | Comment(0) | 冬の季語(生活) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする


襟巻・マフラー (冬の季語:生活)

     襟巻(えりまき) マフラー 首巻

44冬の季語・生活・襟巻(マフラー)【イラスト】.jpg
        パソコン絵画


季語の意味・季語の解説
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 寒さを防ぐために首に巻くもの。
 防寒のほかに、おしゃれする目的でも使用される。


季語随想
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 2003年から2004年にかけて、マフラーの似合う一人の男性が、日本中の女性をその虜(とりこ)にしてしまった。
 大ブームとなった韓国ドラマ『冬のソナタ』で、ペ・ヨンジュン氏(ヨン様)が演じたイ・ミニョンのことである。

 マフラーを巻いた彼が、空から落ちてくる雪に手を差し伸べ、やさしい笑みを浮かべているシーンは、男の私でも心から素敵だと思った。

 当時、女性たちがあれほどミニョンに熱狂したのは、現代日本の男に欠落している(?)、誠実さ、やさしさ、繊細さ、頼りがいのようなものを、彼の内面に見出していたからではないだろうか。

 2009年に大ヒットしたドラマ「JIN −仁−」の主人公、大沢たかお氏演じる南方仁もまた、誠実で、やさしく、繊細で、かつ頼りがいがあった。

 私はマフラーの似合う男になりたいが、そのためには、見た目をどうこうするのではなく、内面をもっと磨く必要があるのだろう。

 ミニョンや仁ほどの者に私ごときがなれるはずもないが、彼らには男として学ぶべき所が多いのは確か。

 内面から、マフラーの似合う男にならねば。


季語の用い方・俳句の作り方のポイント
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 襟巻(マフラー)を首に巻くという行為は、「冬」という寒い空間の中に、大きさでいえば炬燵で丸くなった猫ほどの、小さなぬくもりの空間を作り出す行為です。

 その「小さなぬくもり」に「あはれ」を見出して詠んだのが次の俳句です。

  マフラーを巻けりバザーのぬひぐるみ (凡茶)

 そして次の俳句は、並んで移動する「小さなぬくもり」にユーモアを見出して作ってみたものです。

  マフラーの列ひく安産型の保母 (凡茶)

 今は保母とは言わず、保育士と言うんですがね。

 最後は、私の自信作です。
 「小さなぬくもり」と、その周りに広がる都市という空間との対比を楽しんでください。

  襟巻をして東京の音の中 (凡茶)

 参考になったでしょうか?
 襟巻(マフラー)という季語は、色々な詠み方ができて、面白いと思います。 



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CASIO Ex-word 電子辞書
==============================
■ 俳句関連の充実した電子辞書です!


 以前は、句会・吟行といえば、辞書や歳時記などを持参しなければならず、これが結構重いものでした。

 しかし、今は歳時記入りの電子辞書が登場したおかげで、ずいぶん持ち物が軽くなりました。

 例えば、左の電子辞書には、次の歳時記が納められています。

   
現代俳句歳時記
   ホトトギス俳句季題便覧
   合本俳句歳時記第三版

 俳人にとっては実にありがたいですね!

 また、この電子辞書には、歳時記の他にも、各種の辞典文学作品等、さまざまなコンテンツが収められていて、とにかく飽きません。
 世の中便利になったものです。



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posted by 凡茶 at 02:50 | Comment(0) | 冬の季語(生活) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする


乾鮭(からざけ) (冬の季語:生活)

     干鮭(ほしざけ) とば トバ

乾鮭(からざけ)
44冬の季語・生活・乾鮭【イラスト】.jpg
        絵画をスキャナーにて取り込み


季語の意味・季語の解説
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 鮭のはらわたと鱗を取った上で陰干しにし、水分を抜いた保存食。
 干鮭(ほしざけ)、トバとも言う。トバはアイヌ語。
 
 かつての日本人にとっては、塩蔵品の塩鮭と並ぶ貴重な冬の食料であった。 


季語随想
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 稲作が伝来するまでは、東北日本の方が西南日本より人口が多く豊かであったという話を聞いたことがあります。

 東北日本はクルミ、栗、どんぐりなどの木の実が豊富だった上に、川に鮭が遡上してきたので、食糧が豊富であったということらしいです。

 鮭は、木の実とともに、シベリアからマンモスを追って日本にやって来た私たちの祖先を、飢えから守ってくれたのです。

 鮭を干して乾かした乾鮭(からざけ)は、日本の礎となる食材と言っても過言ではありません。

 レストランでフレンチ、イタリアン、エスニックを味わうのも人生の大きな楽しみですが、たまには細かく切った乾鮭(からざけ)を歯で食いちぎりながら、日本人の祖先のことを思ってみるのもいいでしょう。
 


季語の用い方・俳句の作り方のポイント
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 次の松尾芭蕉の俳句を見てください。

  雪の朝独り干鮭を噛み得たり (芭蕉)

 保存食の乾鮭(干鮭)は、めでたい時に食べる「ハレ」の食べ物ではなく、厳しい冬を生き抜くための「ケ」(日常)の食べ物でした。
 ですから芭蕉の俳句には、淋しくても、虚しくても、とにかく生きていくほかないから生きているというような、諦観みたいなものが滲み出ているように思います。

 私は、乾鮭の俳句を詠むときは、人々の「生きる」場をありのままに写生することで、乾鮭とともに、寒い冬を生きるひたむきさのようなものを表現したいと思っています。

  乾鮭やしまひ忘れし釘の箱 (凡茶)



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posted by 凡茶 at 01:58 | Comment(0) | 冬の季語(生活) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする


おでん (冬の季語:生活)

     関東煮(かんとうだき)

おでん
44冬の季語・生活・おでん(ウェブ).jpg
        デジカメ写真


季語の意味・季語の解説
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 様々な種(具材)を、たっぷりのだし汁でことこと炊いたもの。

 種には、はんぺん、さつま揚げ、ちくわ、つみれなどの練り物のほか、大根、がんもどき、麩、こんにゃく、昆布、ゆで卵、牛すじ、たこの足などが使われる。

 鍋物と煮物のあいの子と言える独特な料理で、関西では関東煮(かんとうだき)とも呼ばれる。


季語随想
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 おでんはあまりに酒との相性が良い。

 酒との相性が良すぎて、「おでん屋」イコール(主に会社帰りのおじさまが集う)「飲み屋」になってしまってる。

 子供づれの家族や、女友達の一団、腹の減った一人暮らしの学生などが気楽に寄れる「食べ物屋」に、「おでん屋」はなっていない。

 子供づれの家族や、女友達の一団、腹の減った一人暮らしの学生は、ハンバーグよりおでんの方が好きでも、お腹が空いたらファミレスへ行く。
 その方が、肩が張らないからだ。

 私が思うに、彼らがもしおでん屋に来れば、飲兵衛(のんべえ)よりたくさんのおでんを食べて帰るはずである。
 飲兵衛は、おでんなんかほんのちょっと食べて、あとは飲んでるばかり。おでんをこしらえる側も張り合いが悪い。

 すべてのおでん屋がそうなる必要もないが、ファミレスのように寄って、お腹いっぱい食べて帰りたくなるおでん屋が少しぐらいあってもいい。

 同じことは焼鳥屋にも言えそうだ。


季語の用い方・俳句の作り方のポイント
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 おでんは扱いの難しい季語です。

 「庶民が、庶民的な店または家で、酒とともに楽しんで身と心を温める…」
 そんなイメージが、「おでん」にはしっかり染みついています。

 実際、そういう食べ物ですしね。

 ですから、作っても作っても、既に歳時記に載っている先人の俳句に似てしまって、なかなか個性的な句ができません。

 だからと言って、「おでん」という季語が持つ既存のイメージを全く生かさずに句を詠んでも、やはり味のある俳句になりません。

 さしあったては、「おでん」という季語の持つ既存のイメージをしっかりと利用しつつも、そこに自分なりの「ひと工夫」を加えて、歳時記の句とは「ひと味違うもの」を生み出す努力をしてみましょう。

  街騒のへりへ逃れておでん酒 (凡茶)
      街騒=まちざい。

  粕の利くおでんが待てり駅裏へ (凡茶)



≪おすすめ・俳句の本≫

俳句の宇宙 長谷川櫂著
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■ 俳句は深くて、面白いなあ… 心からそう思えた本でした!


 最も私の心をとらえたのは第四章「間について」
 この章を読み、俳句の「切れ」を「間」と捉え、その「間」をじっくり味わおうとするようになってから、既に目にしていた名句が、それまでとは違って見えてくるようになりました。

 また、第七章「宇宙について」も、面白くてあっという間に読んでしまいました。
 この章で、「造化」というものに関する著者の考え方を読んでから、芭蕉の時代の句に接する際は、その句が生み出される場としての「造化」というものを読み取ってみようと意識するようになりました。
 もちろん、私ごときが読み取ろうと思って読み取れるような浅いものではないのですが…

 とにかくこの本は、
 「自分が足を踏み入れた俳句の世界は、どこまでも深いんだなあ。そして、深みに潜れば潜るほど、新しい面白みに接することができるんだなあ… 」
 そんな気持ちにさせてくれる一冊でした。



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posted by 凡茶 at 04:20 | Comment(0) | 冬の季語(生活) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする